冥府魔道といいますな。骨董にしろオーディオにしろ、のめり込んでしまえば金銭感覚はなくなるは家族は放ったらかしだは(家族が見放したとも言う)、まぁ健全な生活を送っている皆さんから見ればどこかネジが外れているとしか思えなくなる。だから「マニア」(もの狂い)というんでしょうが。
自転車も、その例外ではありません。かつてこだわりのランドナーやスポルティフを集めた「魔物たち」という名著(?)があったごとく、はまってしまえば後先なくなってしまいます。
私の周辺で見かけたその手の「愛車たち」を集めてみました。彼らは決して決戦用ではない、さりとてお飾り、でも断じて、ない。
共通項は、持ち主がこだわり抜いて相棒にしている自転車ということです。順次、増やして行こうかと思っています。

peugeot_sportif01.jpg (237331 バイト) 某氏が街乗りというか、南米商会に遊びに来る時(だけ)に使っている愛車。
80年代半ばのフランス車、そう高いグレードのものではありません。2008年現在で20年を経過、塗装なども相応にやれていますが、かえって雰囲気が出ている。
最近はフランス車(LOOKやTIMEなど)も国際化の波に洗われて、パーツの規格を米英伊などと(厳密に言うと伊はちょっと微妙)合わせていますが、昔は独自の規格を使っていました。良く言えば独立不羈、悪く言えばヘソ曲がり。愛好者にとっては頭の痛い問題でしたが、何せ多勢に無勢、このころから徐々に標準規格に合わせるようになっています。
これもリアエンドがHURETやSIMPLEXが採用しているいわゆるHURETエンドではなく、今や世界標準のCAMPAGNOLO型とどちらも使える形状になっています。
部品構成は、MAFAC、IDEALE、TA、SIMPLEXとフランスパーツ中心で当時の雰囲気そのまま。ブレーキキャリパーは「命が惜しい」とかで、ダイヤコンペに変えているようですが。
革サドルを大変上手に慣らしています。手入れの良い革サドルは一生モノといわれる所以が良くわかります。
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tig-kurata01.jpg (214463 バイト) 80年代から2000年代前半ごろのイタリアンMASI、それもオーダーものが、日本で一番棲息しておるのは、おそらく福岡市西、南部一帯ではないでしょうかね。私の周辺には、ちょっと数えただけで、すぐに20数台思い浮かべることができます。
今やどれも貴重品、ということで、ほとんどはお座敷バイクとは言わないけれども、それに近い扱いを受けています。
そんな中で、一番使い倒されているのがこれ。
現在は関西在の古い朝練メンバーが所有しているもの。これで10時間耐久などの競技に出る、ってんだから。「使う」ことを優先したパーツ構成もかえって小気味良く、本来、こうして使うものでしょう。
 カーボンフレーム全盛のご時勢に、築10年近いクロモリフレームでレースで太刀打ちできるのか、と思われるかもしれませんが本人は「これが一番良い。バランスが抜群で疲労しにくい」と話しております。真面目に造っていたころのMASIの面目躍如、といったところでしょうか。
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tig_hyodo001.jpg (215027 バイト) 上のMASIから約1年後、南米商会からは最後のオーダー分のうちの1本。2002か2003年だと記憶しています。
ノーマルサイズのヘッドパイプなどが入手しにくくなり
始めたころで、これも何とか1インチのヘッドパイプが調達できたようです。オーダーですから細部の工作が千差万別なのは当たり前ですが、上と比べるとカーボンフォークはミズノ(上は多分、アドバンス)ヘッドパイプにリップが付いているし、シートステイも太くなっています。それでも、長距離に優しい踏み味とバランスの取れた取り回しなど、基本的な性格は変わらないようです。
ところで、このBORA、詳細画像をご覧ください。どっかヘンと思いませんか?
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