正月の初乗りには、DE・ROSA'73レプリカを引っ張り出します。おめでたい日だけに乗る「寿バイク」です。
1995年夏に入手しました。レプリカ自体は90年ごろから約300本(あくまで公称ですが)生産された貴重品。これに運良くカンパ50周年記念モデルを組むことができました。
これは1995年夏にパソコン通信「ニフティ・サーブ」の自転車フォーラム「fcycle18番・火の鳥」に書き込んだ顛末記です。学生のころ、とても手が届かなかったデ・ローザ。それもあのメルクスカラーのマシンを目の当たりにしたおやぢが、どうやって姫を我が家に入れることに成功したか。興味がおありになる方は、お付き合いください。
膨大な顔文字がWEB上では目ざわりかもしれませんが、フォーラム上の雰囲気を残すためにあえてそのままにしています。ご了承ください。

01102/01105 VEF00477 川野 正雄    アア憧れのデ・ローザ4
(18) 95/07/10 15:38
こんにちは <(__)>
某自転車店にて ビールを注ぎながら・・・
社長 「◎●×(本名)さん カンパ50周年記念モデルの中古、手に入るバイどぉね」
godzzi「そげな金はなかバイ(--;) DE・ROSAの身請金だけでも四苦八苦しよっとにから」
社長 「やっけん。そんDE・ROSAの部品と総替えでどぉね。追い銭はいらんけん」
godzzi「ちゅうことは、ボーラも取るわけね(--;)。ソラあんまりばい」
社長 「ハブは36Hスモールやっけん、新品の旧モデルSSCで組んでやるタイ。そんならヨカロ。うちもボーラばもらえるとなら損はせんし。50周年モデルのフルセットもう、こん値段じゃ手にはいらんバイ」
愛しのDE・ROSAがまとっているのはカンパCレコにボーラ。確かに、ごっつい怒り肩クラウンのレプリカモデルにはCレコやボーラよりも、約10年前の優雅なSレコの方が似合うに違いない・・・。(^^;)  社長によると、取り引きのあるアメリカの問屋が話を持ちかけてきたので、どっかのオタクに売りつけようと取り寄せることにしたそうです。
メルクスカラーのDE・ROSAに目がくらんだ中年オタクをだまくらかし、ボーラを巻き上げて二重に手数料を儲けようという腹はミエミエでありますが・・・
50周年モデルという他愛もない企画に思わず引き込まれる自分が情けない(^^;)
先方の話を信じれば走行100マイル、傷なし美品(^^;)。マビックの旧SSCは先日、英国からまとめて仕入れているのを目撃しています。あのブルーアルマイトのが確かまだ残ってるはず。あれなら考えてもいいカナ・・・(~。~")。  ト、帰り道、やっぱり術中にはまってしまっている自分に気が付くのでありました。
福岡&長崎:godzzi(川野正雄)

01172/01175 VEF00477 川野 正雄    アア憧れのデ・ローザ5
(18) 95/07/17 14:17
藤崎某自転車店に、汚い(^^;)GIANTの箱が届きました。
発送元はUSA。中はチャリにあらず、様々な部品類。チャリ用のでかい段ボール箱をコンテナ代わりに使うという、自転車屋の親父の発想に国境はないのだ(^^;)。
化粧箱入りの様々な部品に混じって、何に使ったかわからんような厚紙の箱が一個。脇には白いビニールに包んでテープで厳重にぐるぐる巻きにされた異様な物体がひとつ。
社長 「なんヤロカ?」(*_*)
やおらテープを外し始めた社長、ハタと気が付きました。
社長 「◎●×(本名)さん。カンパ50周年モデル届いたバイ。えらい早かったバイね」
ビニールの中から出てきたのはペダルを付けたままのチェンホイール(^^;)…ハズセヨナ。
クランクには50周年モデルの証の刻印がくっきり。カンパマークのキャップは金色です。社長から手渡された箱には、同じような固まり(^^;)が幾つも幾つも入っています。ビニールを破くようにして包装を解くと、出てくる出てくる・・・。
鈍く光る軽合のヘッド。鏡のようにピカピカのシートポスト、メッキが美しいフロントディレイラー、縦型リアメカのボディはつるりとした平面に50周年刻印入り。二本のボルトはチタンです。ほとんど使い込まれていないという先方の話は本当だったようです。
穴が開くほど見つめ、なで回し、なめ回し(んなわけない)、グリグリと動きを確かめた中年オタク。よだれを拭いながら社長に言います(^^;)。
godzzi「コイデヨカ!! ボーラやらいらん。今から組まんね。すぐ乗ろぅい。金は後でよかけん」
社長 「(--;)あのね・・・・・」
この一週間、悩んだのは何だったのだろう。現物を前にするとまったくこらえ性のない子供のままの性格がモロに出てしまい、あまりにあっけなく商談は成立(^^)したのでありました。
福岡&長崎:godzzi(川野正雄)

01174/01175 VEF00477 川野 正雄    アア憧れのデ・ローザ6
(18) 95/07/17 15:25
日曜日の夕方、某自転車店の狭いカウンターの下にはビールの空き缶がすでに何本も転がってます。いずれおとらぬ講釈師たちの目の前に広げているのは、昨日一方的(^^)に商談を成立させたカンパ50アニバーサリーモデル。
愛しのDE・ROSAのメーンパーツは決まりましたが、後はリムに旧SSCブルーアルマイトを大サービスしてもらう約束があるくらい。他のパーツも決めなければなりません。(*_*)
マージのプレステージモデルを普段乗りに使い、家の中には35アニバーサリー、40アニバーサリー、ヌーボクラシコと3台のDE・ROSAが転がっているというおっさんが講釈の口火を切ります。
おぢ  「ステムとハンドルをどうかせんと。DE・ROSAにチネリなぞつこーちゃいけん。ちゃんと3tttば゙使わんばね」
その声を聞くや否や、副社長が裏の倉庫に潜り込み 5分ほどして出てきました。埃を払いながら持ち出してきたのは10年ほど前のものと思しき3tttのステム。でも最近のものとは違って、突き出しが細身のせいか100mmと短いサイズでも十分にスタイリッシュです。
副社長「あとハンドルやろ。確かメルクスモデルがあったとばって、どこにあるかわからん。ジモンディモデルならあるバイ。ばってが、ありゃあクリテリウムやっけんが、ようなかろ?」
godzzi「そやね。探しといて。んで、いくらで売ると?」
副社長「時価」(^^;)
20代半ばにしてカンパオタク(^^;)に成り下がった若旦那が、リアハブ軸を回しながらつぶやきます。
若旦那「ハンガー幅130たいね。6段にすると? 7段バ使うと」
godzzi「14Tから組めるなら何でんヨカ。何があるね」
競輪選手用のホイールを組んでいた社長が口を挟みます。
社長 「オロがあるばい。6速は確実にある。7速もあるはず。時価バイ」(^^;)
godzzi「アウターケーブル。もう黒しかなかとね。昔はシルバーーがあったろがね」
社長 「ヒヒヒ・・・ グレーやろ。在庫があるばい。時価でよければ売るほどあるバイ」(^^;)
おぢ 「シューズは? まさかSPDで走るつもりじゃなかろーね」
今度は社長が姿を消しました。数分後、出てきた社長が机の上に置いたのは、なんとテッド・ピエトロの木底!!! 午前4時に長崎を出発、朝練に参加してそのまま居座っていた酒屋が脱兎のごとく飛び出して、横取りして水虫臭い足に履いてしまいました。
酒屋 「(靴を履きながら)ワ!! ピッタリ。おれがもらった。もう放さんけんね」
社長 「しょんなかね。そいも時価バイ」(^^;)  真夏の博多の空が濃い紫色に染まり、とっぷりと日が暮れようとしています。
あまりの馬鹿馬鹿しさに思わず外に出て店を振り返ると、いつの間にか「鮨 ○×商会 」という看板が煌々と輝いていました(^。^;) とさ・・・・ハハハ。
福岡&長崎:godzzi(川野正雄)