2003年夏<親切と元気をもらった北海道>
8月13日から16日、平田先生は、北海道・千歳空港〜網走計717kmを走破しています。プランニングの段階で、日高町役場の方から貴重な情報をいただいたり、青山学院大、九州大の若者たちとの出会いで元気付けられたり。今年も数多くの一期一会を満喫されたようです。
なかでも日高町役場の職員さんが送ってくれた情報は、マスメディアに乗ったガイドものとはひと味違って、大変に役立ったと話していらっしゃいました。職員さんがこんな情報発信ができる日高町は、きっと住みやすくて観光客にも優しい町、なんだろうと思います。

8月15日 釧路〜霧多布〜標津(178km)
<若者たちから元気をもらう>
朝6時、外を見ると雨。テレビの天気予報では、曇り降水確率20%だが・・・。やはりソックスは乾いていない。レーサーパンツや、今回上着として使用しているユニクロのドライメッシュ(ポリエステル100%)はまあまあなので、今日も同じものを着ていくことにする。ホテルの朝食バイキングを腹一杯食べて、8時40分、雨で気が重い出発。
今日の宿泊予定地まで近道で行けば120km。一瞬、そうしようかと頭の中をよぎる。が、釧路の町を抜けるころ自転車の集団に追いついた。声をかけると青山学院大自転車部とのこと。女性も3人がんばっている。こりゃ、降られても計画通りにやらないと、後で後悔すると気を取り直す。
50kmをこなして午前11時15分、「厚岸味覚ターミナルコンキリエ」に到着。日本一周中の佐藤君に会う。
東京を出発して66日目、目が輝いた好青年だ。こんな若者がいるなんて日本も捨てたものではない。「九州上陸の時にはメシをおごろう」と約束して別れた。コンキリエでランチ「かき弁天丼」にする。牡蠣を揚げたのにイクラが乗って950円。
雨が上がり、霧多布へ。厚岸〜霧多布〜浜中の道道123号線はgood。適度なアップダウンと手付かずの樹海。眼下に切り立った断崖絶壁と太平洋、霧多布湿原の広大さ。今日は薄く霧がかかって幻想的。国道44号線を外れ25km余分に走ることになるが、おすすめのルートだ。
浜中で44号線に戻り根室に向かって走る。厚床で左折、向かい風からようやく横風になる。この国道243号線〜244号線も右手に国後島を挟む根室海峡、左に湿原や平原が見渡せる。道路がよく車も少なく走りやすい。またキツネが2匹、道路で遊んでいた。
標津のホテル「ワカマツ」に夕方到着。木造の古いホテルだがきれい。bikeの掃除をして風呂に入ってエビカニの豪華食事。
洗濯をしていただき、シューズもボイラー室でひと晩乾燥、となった。

本日の走行データ
D:178km
T:7:05
M:48.5km/h
A:25.1km/h
本日のルート

8月16日 標津〜羅臼〜知床〜網走(162km)
<九大生と邂逅>
朝、はがきを出しに行くが寒い。今日は知床峠(740m)を目指す。7時50分スタート。寒いのであわててレインウエアを着る。道路表示の看板に13℃と出ていた。羅臼9時45分着。海産物を宅急便で送る。下は曇っていたが上に行くにしたがって晴れてきた。羅臼岳も雲の合間からだんだん見えてきた。午前11時半、知床峠着。保険の39-23Tは使用せずにすむ。
自転車の若者がいるので話すと、何と九大サイクリング部。どっかで見たことのある顔だと思った!自転車にも南米シールが貼ってある。記念写真を撮ってメールで送る約束をする。
一気に下り、ウトロで昼食。
以後、フォローの風で今回の旅で初めて気分的に楽になり、知床斜里で終 わりにしようと思っていたのを、網走まで走ることにする。
斜里のローソンで休憩していたらロードレーサーにリュックを固定した30代の男性が登場、少し情報交換して先に出ようとすると「後から飛ばして追いかけます」と。
この言葉にメラメラと闘争心がわき、これから41km、追い付かれないようにAve35km/h目標のインターバル・・・(編者注:またぁ・・・(^_^;) 相変わらずですな)
アホをやってしまったおかげで、午後4時前に宿泊地の網走「ホテルサンアバシリ」に到着。荷物を置いて自転車で街をぶらぶらしていると、さきほどの彼とすれ違った。
夕食は北海道ラーメンがむしょうに食べたくなりホテルで聞いた「味軒」に行く。網走は夏祭りで、どこにてもいるような若者が大勢出ていた。

本日の走行データ
D:162km
T:6:13
M:61km/h
A:26.1km/h
本日のルート

8月17日 福岡へ
今日は乗り物で帰るだけ。自転車は、前日に輪行袋に収納していたので5時半起床で易へ。出発まで時間があるのでうろちょろしていると、駅の隅で寝ていた学生を発見。立命館大の3回生で、これから知床峠を目指すとのこと。
6時23分発のオホーツク2号で札幌へ。列車内で食べた大雪山十勝カマンベールチーズケーキ¥200は、おいしかった。札幌11時46分着。
札幌駅構内でだめ押しの「ほたてコーンバターラーメン」を食べる。¥1500。九州のラーメンでは考えられん値段だ。
札幌〜新千歳空港は速くてきれいな快速エアポート36分。JAS884便、午後5時40分、福岡空港着。
人間の小ささ、自然の雄大さ。地球は人間だけのものではない、とつくづく感じた。人と人とのちょっとした交わりの中で和む気持ちを、今回もしみじみと味わえた。