2015年秋
昨年の台湾自転車旅行の帰路、同行のINOU君と今度はハワイに行こうかと冗談とばしていたら実現してしまった。
ご承知の通り、常夏の島ハワイに日本のような四季はない。
ホノルルは4〜10月の乾季、11〜3月の雨季に大別できるが、雨季といっても一日中降ることはなく時々ざっと降る程度らしい。
自転車の旅はできるだけ雨を避けたい。そして休みの取りやすい時期(いまだに現役なので)なおかつ割安な旅ができる時となると10月初旬かな…という訳で画策した結果、福岡発の直行便激安ツアー10月7日発4泊6日に決定した。

10月9日 ザ・バス&カエナ・ポイント州立公園 34km/h
昨日は早朝に出発したのでベッドサイドにチップを置くのを忘れていた。
アメリカではチッピングカスタムは重要な習慣である。ホテルのルームキーパーやレストランのウエイター、ウエイトレスたちの生計の一部になっていて、気持ちの良いサービスがあることに対する感謝を込めてのささやかなお礼である。へたな英語のメモ書き(お詫び)と共に昨日の分も含め目覚まし時計の脇に置いておく。
今朝は少し郊外にある「カフェ カイラ」へ出かける。ハワイの朝食部門で大賞を取っている人気店らしい。ホテルから3km、自転車でカパフル通りを北上し左折すると到着。朝7時過ぎなのに行列が出来ていた。
順番待ちの名前を記入し隣のスーパーマーケットを覗いていたら、20分ぐらいでテーブルに案内される。パンケーキとオムレツをオーダーし2人で半分ずつにするが量が多い。どちらも美味しいがパンケーキの味はすこし甘めかな。 まぁ、われわれは自転車がなければ来ていない所だった。
ハワイ3日目は島西側のカエナ・ポイント舗装終点まで走る計画をしていた。
オアフ島は車で周囲を完全に一周する道路があるわけではない。
西の先端カエナ・ポイント[岬]の北側(ハレイワ方面)から東側(ワイアナエ方面)の10kmは未舗装で、自然が残っていてトレッキングで有名だ。
計画段階で「ザ・バス」(後述)に自転車を載せられることが分かった。道路が複雑で車の多いダウンタウンやパールシティは1回走れば十分なので、そこはバスにしようと決定、そして西の海岸線R93を往復100kmぐらい走る予定を立てていた。
午前9時半、自転車でアラモアナバスセンターへ向う。アラワイ運河沿いを5分も行かないうちにINOU君の自転車がカチャカチャと異音を発し急停止。タイヤの真ん中にねじが刺さりフレームに当たっていたのだ。チューブを取替えタイヤの内側にパッチを貼り再スタート。バスセンター10時着。バス停で待っている間に日系人のおばあさんがINOU君に話しかけてきて「西の方は土人(ママ)が多いので気をつけて」と言われた。
バスは午前10時24分発の「Country Express C」。いざ出発の段になり、気持ちが安易な方に流れ自転車で走る距離を大幅短縮することに。バスはアラモアナ〜ダウンタウン〜H-1〜カポレイT.C(トランジットセンター・乗り換えターミナル)と走り1時間半でワイアナエT.C着。今日も良い天気、気温は30℃くらい。ここから西に向けて自転車でスタート、確かにローカルな感じ。
マカハビーチ(バス終点)から先は民家もなくなる。右側に岩山がそびえ《落石注意》(もちろん英語で)の看板が頻繁に現れる。
道路左側に車が数台止まって人が歩いていた。何かなと思って見ると右の岩山の下に穴があいていた。ガイド本に載っていたカネアナ洞窟だ。「聖なる洞窟」と言われているが、看板もなくピンと来ない。
ここでにわか雨が降り出し洞窟に退避してありがたさが分かる。(編注:バチ当たり(^_^;))数分後に雨が上がり、ワイアナエからカエナポイント州立公園に1時間弱で到着。
ここで舗装道路は終わりとなり、ワイキキとは全くちがったオアフ島を見ることができる。しばらく休憩し復路は海側の道路を走り、景色もちがって見える10マイルだった。
ワイアナエT.Cにもどり時刻表の午後2時26分発より20分遅れてくるバスに自転車2台を積むことができた。
ワイアナエは高度失業地帯で犯罪が多く、教育水準も低いと言われている。KONISHIKIが生まれ育った所でもある。彼はワイアナエ地区の貧しい子供を支援するためにKONISHIKI基金を設立、そしてKONISHIKIキッズプログラムをスタートさせていると聞く。
バスは2両編成で混み合い地域住民の雰囲気がただようが我々もジャージ姿の変なおっさんなので全く違和感のない1時間半だった。アラモアナ到着後また自転車でホテルに戻る。

本日の走行データ
D:33.4km(+12km)
T:1:32
A:21.8km/h

「THE BUS」について
全米ナンバーワンの公共交通機関として過去に2度認定された庶民と観光客の足。
約100のルートでオアフ島ほとんどの場所を網羅していて、約1,000の停留所がある。
車内にはひざの上に置けるくらいの荷物しか持ち込めないがバスのフロントには2台もしくは3台の自転車を無料で搭載できるキャリアが装備されている。
運賃は大人2ドル50セントの均一料金、トランスファーチケットにより2時間以内なら、方向によるが2回まで乗換えができる。
その気になれば2ドル50セントでオアフ島1周も出来てしまう。
今回我々は自転車で1周という目的があったのでMy Bikeを持参したが気軽な旅であればThe Bus&レンタサイクルはオアフ島を楽しむ有効な手段だと思う。
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