2017年秋
毎年夏にしていた自転車の旅、寄る年波と暑さにやられ近年は車で伴走してくれる友人の甘いささやき「乗っていくか!?」に負けてしまっていた。今年はやや遅きに失した感もあるが晴れて定年老人(編注:70歳の節目を迎え、今年春に仕事を引退されました)となり気候の良い秋に旅をすることにした。

直接のきっかけは福岡天神バスセンターで目にした富士山行きの夜行バスのパンフレット。案内所で聞くと自転車も積めるという。
さっそく計画を練り友人達の了解をとり9月27日に決行することになった。
当日、雨の合間をぬってバスセンターまで自走して輪行する。
コンビニで夕食やビール、ハイボールを買い込み18:10発のバスに乗り込むと、JR博多駅からの先客が2人。関門海峡を渡るまで他に誰も乗らず運転手2人に乗客3人の旅となった。
外は雨だが自転車で走るわけではないので、気持ちよく飲み食いしトイレ近くの席に陣取り夜中にゴソゴソする準備もOK。
バスは3列シートのリクライニング、佐波川SAで休憩後、乗務員が仕切りのカーテンを取り付けたが回りに誰もいないので半分空けておく。
うとうとと4時間ぐらい眠っただろうか。早朝、日本平SAで15分の休憩があり顔を洗い、熱いコーヒーを飲んで眠気覚ましをする。
静岡県に入ると数か所停車の予定だが降車する人がいない所はパス。沼津駅で2人降り小生は次の御殿場駅で朝7時半、降車。
御殿場駅は思い出の地。昭和38年(54年前)、ボーイスカウト富士野営に参加するのに降り立った駅。仕事の片付けをしていて当時の写真を発見したのも今回の旅のきっかけのひとつだ。

9月28日 御殿場駅〜山中湖〜富士吉田  46km
雨が降っている。晴れてくるという予報なのだが…
走る距離が短いせいもあるが、全く気合が入らず駅の周りをぶらぶらしたり座り込んだり、まさに徘徊老人。
午前9時半ごろようやく日差しが見えてきたので、自転車を組み立てトイレで着替え、タクシーの運転手さんに道順を聞き出発する。
御殿場からの国道138号線は籠坂峠(1,104m)まで16km、標高差700mの登り。久しぶりに荷物を背負っているので愚痴がでる。
陸上自衛隊富士学校の前で記念撮影、そして少し先の道の駅須走りでおにぎりをひとつ食べる。
ここから篭坂峠までが本格的な登り、富士山は見えないが気温19℃と涼しく、車も少ないので34×25Tのギヤでリラックスを心がける。峠の頂上からさっと下ると山中湖が現れた。
一周14kmの山中湖をパラパラ雨のなか快適(平坦&無風&ゆっくり)に走る。
車で来る友達2人と待ち合わせのレストラン「レイクサイドキャビン」へほぼ同時に到着。
ここからは重い荷物から開放されて気分爽快。山中湖から20分ほどの澄んだ湧水池「忍野八海」に立ち寄る。ここは世界遺産富士山の構成資産の一部に認定されていて中国人の観光客であふれかえっていた。
ホテルのチェックインタイムに合わせるため、「道の駅富士吉田」にも寄る。今や気象衛星に取って代わられ、役目を終えた富士山頂のレーダードームがここに移設展示されている。
午後3時に宿泊地「ウエストイン富士吉田」に到着、着替えをして浅間神社や河口湖を車で散策、ついでに「赤富士ワインセラー」で、夕食のうまいところの聞き込みをする。郊外の「55ステーキ」が絶対お勧めとのことで下見に行く。森の中にぽつんと在るのだが食通の友人が二重◎のサインを出し予約してホテルに戻りタクシーで引き返す。ステーキはもちろんサラダもカルパッチョも酒も全部うまかったな〜 特にハラミステーキはあっさりの絶品だった。

本日の走行データ
T 2:27
D 46km
A 18.8km/h