福岡市在住の日隈優輔君(22)が、今シーズン、フランス・ノルマンディーのチームで走っています。大学に入ってからロードレースの魅力にとりつかれたH君。「絶対に本場フランスで走りたい」と夢を語ってくれたのが昨年夏。恒例の南米ヒルクライム前後でした。
今シーズンは、国内の有名クラブチームで走り、一段ステップアップをという話が急転直下、フランス武者修行が実現しました。夢の実現に向けて、一生懸命に動いたのが実を結んだようです。後ろ向きな若者(だけじゃないけどね)がとかく話題になりがちなだけに、その前向きで積極的な姿勢は、くたびれたおやぢを久しぶりに爽快な気持ちにさせてくれました。
こういう若者がいることを、私なりに知らせたいとの申し出に、メールでのレポート送信を快諾してくれました。レースそのもの、レースを取り巻く環境、ヨーロッパの自転車事情etc・・・。ハードなスケジュールの合間を縫って知らせてくれる生の声は、きっと役に立つと思います。

<2005/4/20>

今は週1回、火曜日に所属チームでピストの練習をしています、そして水曜にはチーム練習です。
それ以外は、レースか回復走程度に走ります。

生活はホームステイで、大家さんのアニィさんはフランス車連の仕事もしてる自転車好きです。部屋は一緒のチームのS選手(以下ゴウ)と一緒なんで生活はしやすいです。ゴウとはボンシャンスはもちろん、フランスのチームも一緒で、タイ合宿から一緒に生活しています。同じ歳で身体は細いですが僕には無いものを持っているので良い刺激になります。

チームの監督はツールを2度完走してるローランさん、所属チームのUSSAパヴィディー・バランタンはこの辺ではVCルーアン(過去に福島康司、昨年は畑中勇介が所属)との2強で五輪のピストでメダルを取った選手も所属します。

今週末はボンシャンスとしてのデビュー戦、3ステージのレースを走ります。
DAIHATSU Bonne Chance!
Yusuke HIGUMA

<2005/4/25>

日と24日でノルマンディーのステージレースでした。
23日の第1ステージは140キロのラインレース、道がわからないので切れたら絶対に迷う!っという恐怖心をばねに走ったらメイン集団で完走できました。ゴール前で落車があって遅れたとはいえスプリントに加わる力も足もなかった。タイム差はゼロ、明日のチームTT次第で総合が動きます。
翌24日、午前。朝食を軽くとりスタート地点へ。カーペーサーで軽くウォーミングアップ。スタートは2番目。コースは平坦基調の22キロ、周りは後輪ディスクの前輪ディープリム、ナショナルカテゴリーは機材のまとまったチームが多い。うちはいたってノーマル。しかも前日一人リタイアしてるので4人、昨日26分遅れでも完走した選手の根性に感謝だ。チームのことを考えてる。
前半は落ち着いてスタートし後半は地獄だった、特に残り5キロ。結果は最下位…、でもみんなでまとまれたのでよかった、間違いなく自分が今まで走ってきたチームTTのなかで最高の走りだったと思う。
午後、シャワーを浴び、食事をとりゆっくりしてスタート会場へ。こちらの選手は食事のとき軽く一杯は赤ワインを飲む、文化の違いだ。午後のレースはあっという間に中切れの餌食となり終了。そこからしばらく走ったが雨も強くなり、治りかけてる風邪も悪化させたくなかったのでやめた。
でも60キロぐらいは走ったかな。5月にはヘリテイジツアーという大事なレースが待っているここで体調を崩したくはない。

次はまた週末にステージレースです、今度は個人TTがあります。

<2005/4/26>

こんにちは。 お忙しい中ありがとうございます!がんばって書きます。
確かに体力差はないと思います(注:日隈君のメールに私が「日本人と欧米人、言われているほど体力差はないのではないか」という素人考えを書いたことに対する返答です)
数レースですが走って感じました。ただ日本人は筋肉量が少ないのでペダリングは回していく必要があるみたいです。ヨーロッパの古くからやっている選手はゴリゴリ踏みます、今でもそういう指導者がいるらしいです。
しかし、僕の所属するUSSAパビディー・バランタンの監督、ローラン(過去ツール2回完走)は回せと指導しています。こっちの若い選手はよく回しますよ!
別府はすごくきれいな回転でたくさん回して走れる選手ですし。日本人は日本人なりの戦い方で勝負する必要があります。
練習もフランスでは競技する選手、趣味で強くなりたい選手、サイクリングが好きな人がうまく共存してる感じです。もちろん一緒に練習に行きます。
自転車そのものが楽しいといったとこはお互いの共通するとこですから。 この点は日本の少年野球やサッカーに似てるとこがあるかもしれません。 バンクに行くと、いろんな人が練習(日本で練習というとハードなイメージがありますがこっちでは個人の意思でしてます。)していて。 その中には、競技志向の選手や何々君がやってるか僕もするといった子までさまざま。
保護者の方はテ−ブルを用意してきて昼間からワイン片手に楽しんでます。平日なのに…。平日の昼間に顔を真っ赤にしてるお父さんなんて日本じゃあまり考えられないですよね。しかも車できて…。
まだまだ日本はクラブや指導者が不足しています。少年野球並みにクラブが増えればきっと世界で戦える選手がたくさんでてきますよ。