福岡市在住の日隈優輔君(22)が、今シーズン、フランス・ノルマンディーのチームで走っています。大学に入ってからロードレースの魅力にとりつかれたH君。「絶対に本場フランスで走りたい」と夢を語ってくれたのが昨年夏。恒例の南米ヒルクライム前後でした。 
今シーズンは、国内の有名クラブチームで走り、一段ステップアップをという話が急転直下、フランス武者修行が実現しました。夢の実現に向けて、一生懸命に動いたのが実を結んだようです。後ろ向きな若者(だけじゃないけどね)がとかく話題になりがちなだけに、その前向きで積極的な姿勢は、くたびれたおやぢを久しぶりに爽快な気持ちにさせてくれました。
こういう若者がいることを、私なりに知らせたいとの申し出に、メールでのレポート送信を快諾してくれました。レースそのもの、レースを取り巻く環境、ヨーロッパの自転車事情etc・・・。ハードなスケジュールの合間を縫って知らせてくれる生の声は、きっと役に立つと思います。前のページからどうぞ

2005/5/23

今日はアミアン主催のレースがある。アミアンは過去、コージさんや久保監督の所属したチーム。 このレースは賞金がいいのでレベルが高いらしい。ちなみに優勝で150ユーロ、山岳賞で100ユーロ(13500円ぐらい)。 平日なのに選手がたくさん、働いてていいような男性ばかりだ…。 レース開始直前に雹が降ってくる…、ノルマンディーではごく自然なことだ、渡欧してからなれてしまった。そんな中、アームウォーマーをしていない選手が走っていても珍しくは無い、それがフランス人なんだ。彼らはきっと寒さを感じないのだろう。タイに連れてったらどうなるのだろうか…?

話はそれたけどレースの話題に

レースは序盤からハイペースで進み、アタックに反応するだけでもそうとうきつい。がきついアタックほど決まるのであきらめず踏んでいく。前日の落車の怪我も痛い。 夢中で展開してるうちに集団のなかにはチームメイトも日本人もいない。 その夢中が失敗だった…、補食を食べ忘れハンガーノックでレース終了。とりあえず完走はしたが今日も後ろ向きなレースをしてしまった。 レースのレベルが高かったみたいで完走しただけでも賞金をいただいた。初賞金10ユーロ、小遣い程度だけどうれしい。

来週のレースまでに登りのペーサートレーニングをして体調を上げていくつもりです。良い報告ができるようがんばります。

DAIHATSU Bonne Chance! Yusuke HIGUMA

2005/5/30(PACY TOUR)

今日のレースは午前6,7キロTT、午後101キロロードレースだった。 TTはフランスにきて以来、課題にしてる分野。いまだにうまく走れないが今日はそこそこタイムがよかった。
今回は監督が後ろからチームカーでついてきたのが良かったのかな? 
後ろから「ギアかけろー!」「最後だー!もがけー!!」とか叫びまくってた!普段はあまり感情を表に出さず冷静なのに…(笑)
 しかも今日のTTのスターターはアニー(ホームステイ先の大家さん、大家さんというより現在はアニーとゴウと僕の3人暮らし)。普通は、「サンク(5)、ヵトゥル(4)、トロワ(3)、…」でスタートなのに、僕のときは「ゴー、シー、サン、ニー、イチ」と僕が教えた日本語だった♪

困ったことに、フランス語を教えてもらってるといつの間にか僕が日本語を教えてる場合が多い…。 心拍の上がりも良く、足も軽かったんだけど平凡なタイム。今後スピードが課題だ。

午後はまたもや雨レース…。大きな周回を回りその後小さな周回を3周するロードレースだった。 今回は考え方を変えて、最初からがんがん行くのではなく。序盤は冷静に対応して疲れが見えたとこでガツン!と行ってやろうと考えてた。
大周回が終わり、小周回へ。日本人の鳴谷、小峰、ゴウが積極的に動いていた。
決まりそうな雰囲気のなか小峰が行った!集団は一列。自分は小峰の後ろに位置し、そこからさらにギアをかけて踏んだ。
集団が1列のとき先頭付近にいて、そこからギアをかけてアタックすれば力のある選手でも後方にいる選手は反応できない。
集団の前方にいる足のある選手だけでうまく抜け出せると思っていた。 そして3人で抜け出すことに成功!後はこのまま3人でしばらく走り4人ぐらいの追走集団が追いついてきてくれたら理想だな、などと考えていたらいきなり目の前には壁のような登り…。
福岡の人にうまく説明するとしたら、壱岐サイクルロード(福岡じゃないですね…)の30キロ地点の一番きつい坂、あれがずっと続く感じ。
結構足にきてて、登りに入った瞬間足が止まり集団に吸収…そして集団からも切れる…。 「やっべ〜!」正直、冷や汗ものでした。 運よく、他にも切れたメンバーがいて、その後の平坦を利用して追いつけた。 しかし、前には10人の集団が見える…。 さっきの登りで決まったみたい。またやってしまった…。
早く追走集団を作らなければ手遅れになる。
小周回は3周、ということはあの坂はあと2回登ることになる。もう一つ山岳ポイントの登りがあるが勾配はゆるく、道幅も広い。これじゃ決まりにくい。
登りで決める場合は勾配がきつく、道幅が狭い道がいいと考えていた。 それまでに集団の前に位置取りしておくことが重要。
 それまでに幾度と無くアタックが繰り返されるが冷静に対応。理想的なポジションのまま登りへ! とにかく踏んだら6人だけ抜け出した、その後の平坦、下りもギアをかけて踏む。
オフィシャルの車が後ろについた、これは後ろの集団との距離があいたことを意味してる。 追走集団をうまくつくることができたが時すでに遅し、前方から降ってきた選手2名を吸収しつつ、そのままゴール。今日も14位ぐらい。総合順位も14位だった。いいかげん中途半端な成績から脱出したい。

調子はどんどん上がってる。日本人の中では現在最も調子がいい。今週もまたペーサーのインターバルで強度を上げたトレーニングをする予定です。

DAIHATSU Bonne Chance! Yusuke HIGUMA