風を切って息を上げて、心ゆくまで楽しんだら汚れを落として愛車の労をねぎらってあげませんか。
磨き上げられた自転車は、オーナーの愛着が感じられてとても気持ちの良いものです。反対に、いくら高級車に乗っていても薄汚れていたら、この人は自転車が好きではないんだな。と思ってしまいます。
ただ自転車をきれいにするだけじゃぁない。故障、トラブルを防ぎ、安全なサイクリングをするために愛車を長持ちさせるためにメンテナンスは欠かせない。
「メンテの神様」は絶対にえこひいきしません。5万円のクロスバイクだろうが100万円超のロードレーサーだろうが、きちんと手入れをする人だけに味方をしてくれるのです。

手洗い:頑固な汚れには柑橘系
駆動系をいじった後は、手が油まみれになるのは仕方がない。
この油汚れは石けんではなかなかきれいにならないのでお困りの方もいらっしゃるかと。
お悩みの方はぜひ、写真のようなハンドクリーナーを試してください。少量を手のひらにとり、水を使わずに汚れ全体に伸ばし広げてゴシゴシとこすっていくと面白いように黒ずみが取れていきます。
十分に取れたら水で洗い流してお終い。それでも気になるようだったらもう一度石けんで手を洗うと完璧でしょうか。
主成分は、ミカンなどの皮に含まれるリモネンという成分。炭化水素の一種なので、石油なんかの遠い親戚と思えば油が落ちるのも納得でしょうか。ミカンの皮を使うと、油性ペンでガラスや金属に書いた落書きも消すことができます。
ちなみに、このリモネン、育毛作用がある、という話、ご存じでした?
2011/4/2

<革の手入れ編>
オイル:裏(の一部だけ)たっぷり>
ちょっと趣向を変えて、自転車に使われている革製品の手入れについて。
最近のクロモリブームで、革サドルが見直されています。うまく使えば一生ものであるのは間違いないけれど、ひとつ間違えばいっぺんで型崩れしてダメになるデリケートなものであるのも、これまた事実でありますね。
新品の革サドルはたいていパリパリに乾燥しています。そのまま乗っているとひび割れて格好悪いし本来の乗り心地も味わえない。サドルオイルをくれてやらなければなりません。
表からゴシゴシやる人を見かけますが、染めているので効果は薄い。裏にたっぷり塗っておきます。
一番大事なのは座面だけに塗ること。側面にはほんのお印程度。何なら塗らなくてもいいぐらい。表面も薄く適当でいいです。最初は染みていかないような気がしますが、日が経つにつれて浸透するので焦ることはありません。後はじっくり乗り込むことです。
写真のサドルで1000km経過時点。ようやく硬さがほぐれ始めたぐらい。
革サドルと付き合うコツは、絶対に急がない、でしょうか。
2011/4/29

雨対策:降りそうな時は乗らない(^^;)>
梅雨時だから、雨の話。
革サドルの大敵は、雨とゆーか水濡れ。
ではその対策。雨の日はもちろん、出かける前に空模様をにらんで少しでも降りそうな時は乗らないこと。これに限る。
(-_-)
どーもこのシリーズ、身も蓋もない話が多いような気がする…。
天気予報も外れることがあるので、私は写真のようにサドルレールにカバーを縛り付けています。少しでもポツポツときたら、ただちにカバーをかけできるだけ早く帰る、と。革サドルを付けているのがすべてマッドガード付きなのでこれで大丈夫ですが、ガードがない場合はスーパーのレジ袋で全体をしっかりと覆うのが一番いいみたい。
万一、本体が濡れてしまったら、ピラーごと外して風通しの良い日陰(これ絶対)で自然に乾くのを待ちましょう。
何にもしないこと。革そのものは水に濡れてもまったく心配ありません。靴と同じ。ただし熱を加えると組織が変化して型崩れを起こします。こうなると戻す方法はありません。
2011/5/28