スポーツとして自転車に乗る人が増えています。
メタボ対策、地球温暖化、原油価格の高騰etc 環境と健康に優しい自転車の良さを知っていただくのは中学生のころからサイクリングに染まっていた間もなく老人としては大変嬉しいことです。
ただ、自転車、特にロードレーサーは一般に考えられているよりはるかに速い乗り物です。公道を走る以上、常に危険と隣り合わせであることを忘れては困ります。信号無視をはじめとする交通ルールを守らない行動は、自分がケガをするだけでなく、人様を傷つけてしまうことになりかねません。車やオートバイなどと一緒に道路を走る交通社会の一員として、上手に走るノウハウを覚え、マナーを守って走ることが、社会の自転車に対する理解につながると信じています。
ここで紹介する事柄は、あくまで公道上で事故を起こさないためのノウハウやマナーです。競技としての走り方と一致するとは限りませんので、その点を十分ご理解下さい。速く走るだけが能じゃない。社会においては「
無事之名馬」なのです。

救急車を待つ間(事故っちまった編・2)
救急車が来るまでに、できることはあるでしょうか。
落車によるものにせよ、人を引っ掛けてしまったにせよ、頭を強打しているか骨折の疑いがあるか、でしょう。むやみに動かさず、安静にさせるのが鉄則。安全な場所に少しだけ移動させ、嘔吐しても大丈夫な姿勢、顔を横向きにして寝せるとか。壁などに寄りかからせるとかで、じっと待ちます。
ただし意識がない場合や呼吸をしていない場合は別です。意識がない場合は、声をかけましょう。揺すってはいけませんが。自転車の事故ではまずないと思いますが、呼吸が止まっていたら人工呼吸。緊急事態です。骨折などには構わず脳に酸素を送ることが最優先です。
何らかの理由で手足などをざっくりと切って、出血がひどい場合、傷口の心臓に近いところをジャージやタオルで縛りましょう。結び目に木の枝のようなものを突っ込んで絞り上げると効果が高いです。
日本の場合、救急車が来るまでに平均6分かかると言われています。130万人もの人口がある福岡市ですら、救急車はたったの25台しかありません。これで急病人から交通事故まで全部面倒を見ているのです。6分というのはあくまで平均であって、郡部だと15分や20分かかることだって覚悟しなければなりません。優先順位を見極めて、冷静に対処しましょう。
(-.-)
と、書いてきてつくづくヘルメットが大事だ、と思います。事故で一番怖いのが頭を強打すること。それから身を守るにはヘルメット以外にはないのですから。
009/3/14

示談厳禁(事故っちまった編・3)
前回からちょっと間が空いてしまいましたが、続き。
幸いにしてけが人がおらず、物損だけで済んだ。相手の運転手が「ちゃんと弁償するからさ、点数もないし仕事に差し支えるから、示談にしてくれんか」と持ちかけて、どうしますか?
警察を呼んで事故処理をすると、当日はもちろん、後日呼び出され調書を作成しなければなりませんからかなりの時間を取られます。「弁償してくれる、って言ってるし。まいっかぁ」と。
後日、泣きを見てよいのなら別に構いません。世の中、善人ばかりなら良いんですけどね。
翌日、連絡しても電話に出ない、教えてもらった電話番号はウソだった、電話に出ても「知らねぇよ、ンナこと」と開き直られる・・・・・・。ざらにありますな。
それに、転倒や衝突した衝撃は翌日に痛みが出ることが良くあります。示談していると相手に請求してもダメです。当然、治療費は自分持ち。厳密に言えば交通事故に伴う治療は保険が利きませんので、自費となります。目ん玉飛び出るほど高いですよ。
2009/4/25

事故処理・冷静に客観的に(事故っちまった編・4)
警察署の事故係が到着して現場検証が始まります。
それまでにすることは、相手とケンカすることではありませんな。
いつどこで相手に気付いたか。
その時、どうやって事故を回避しようとしたか。
相手はどう動いたか。
これらをしっかりと確認します。スキッド跡、自転車の傷、客観的な事実が大きな証拠となります。仲間がいたら、一緒に確認しましょう。
事故係は、現場で双方の主張を聞き、後日調書を作成して送検します。少しでも有利にしたい気持ちは分かりますが、ウソをついても相手の言い分と矛盾が生じて話がこじれてしまいます。正直が一番ですね。
なお、「たとえ自分が一方的に悪くても、絶対に謝るな」と聞いたことがあると思います。が、誰がどう見ても一方的に悪い、という状況(例えば信号無視したとか)なら、儀礼的に「ごめんなさい」と言った方が相手の心情が多少なりとも和らぐ、という一面もあるので、他の国ならいざ知らず、一概に否定するものではありません。
2009/4/25