自転車の趣味にはまってしまった人なら、誰でも憧れるのがフルオーダーの自転車。体格、走力、趣味に合った自分だけの1台というのは何ものにも代え難い魅力です。昨今のクロモリブームで昔ながらの職人さんが誂えるオーダーフレームは大変な人気だそうで、ブランドによっては1年以上待たされることも当たり前、どころか受けてもらえたら幸運とまで言われています。
ともあれ、いつかは乗りたいオーダー自転車。それなりの金額を
はたくのですから「こんなはずじゃなかった」と後悔はしたくないものです。

準備編
最初に決めること
何よりもまず、こさえた自転車でどのような楽しみ方をしたいのか、を固めましょう。人によって様々だと思いますよ。
「休日暇ができたら1日郊外を乗って楽しみたい」
「2〜3日の快速ツーリングに使いたい」
「忙しいので2〜3時間、ポタリング程度しか乗れんなぁ」
「仲間に見せびらかしたい」
何でもいいんです。同じロードバイクをオーダーするにしても、使い方によってフレーム材質からスケルトンからはたまた部品選びまで、ずいぶんと変わってきます。
オタク的な話をさせていただくならば、これがしっかり固まっていないと凝りまくったバイクより市販車の方がよっぽど格好いい、なんてことになりかねません。コンセプトがしっかりしていれば、それなりにまとまった自転車になります。豊富な知識がなければオーダーできない、なんてことはありません。必要なのは、生半可な知識よりもコンセプトと素直な気持ち(後述)です。
2011/5/29

予算を見積もろう
お店に行く前にもうひとつ大事なこと。
はっきり書いておかねばね。
オーダーは、お金がかかります。
ロードレーサーをオーダーするとして、フレームだけで安いものでも15万円。パイプを選んだり、ワイヤ内蔵処理などの特殊工作やノン・スタンダードのクラウンやラグを使うなどすれば、その都度追加料金が発生します。クロームメッキは格好いいですが、上手なところに出せばフォークだけで2万円、フレーム&フォークだと5万円かかります。凝った塗装をすればマスキング代などもかかります。大半が職人の手を煩わす対価なのです。
さて、っと。フレームだけでは乗ることはできないので (^^;) パーツが必要です。イチから揃えるとフレームとほぼ同額ぐらいはかかります。
「完成車なら10万円であるじゃん」? パーツメーカーが完成車メーカー向けに納める価格は、市販価格の何分の一です。
ケタ違いにたくさんの数を供給しているのですから安くて当然。
今乗っている自転車のパーツが移植できるなら、フレーム代+組み替え手数料ですみます。
パーツも新調する、となると安くてもざっと30万円近くはかかる計算になります。それと、フレーム発注の際には代金の何割かを保証金として払うのが普通です。
2011/5/29

イメージを固めておこう
使い方と予算が決まれば、何となく形が見えてきませんか?車種のイメージも湧いてこようというものです。
現代のインフラ事情を考えると、ロードレーサーが一番応用範囲が広くて使い勝手が良いと思います。でもこだわる必要はありません。
マッドガードの付いたスポルティフの方が良い場合もあるでしょうし、見せびらかしに乗るなら昔ながらのランドナーだって造ってくれるところがある。私の通勤短足号や元競輪選手が所有するミニベロみたいなものだって運が良ければ造ってもらえるかも知れない。あのMASIだって、オーダーに応じてミキストを造ってんだから(某所にあるし)。
まずは「こうしたいんだ!」という熱意をもっていなければ、先には進みませんよね。
(*^_^*)
2011/5/29