長崎県・壱岐の代表的焼酎。樫樽に入れて熟成させるため、ほのかな木の香と滑らかな口当たりがマッチしてウイスキーに良く似た雰囲気がある麦焼酎です。ついつい飲み過ぎるのでご用心。いつぞやはレース前というのに宿の在庫、全部飲んでしまって顰蹙を買いましたな>当時のメンバー。
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さて壱岐には、遅くとも江戸時代後半に大麦で仕込んだ焼酎があったと言われています。大麦を使ったのは年貢の対象外、雑穀扱いだったため。蒸留技術は、南方〜九州南部ルートで伝わったのではなく、朝鮮半島経由のもの、という説もあるのですが真偽のほどは分かりません。朝鮮にはコウリャンなどの雑穀を使った蒸留酒がありますので、的外れというわけでもなさそうな。
壱岐焼酎は、米麹と蒸麦1:2の割合で仕込むのが特徴で、麦100%の他地域とは異なります。これが独特のつるんとした舌触りを生む理由のひとつになっています。現在、7つの蔵元が伝統の味を守っています。
壱岐 SUPER GOLD33 玄海酒造株式会社(長崎県壱岐市郷ノ浦町志原西触550-1)
2009/5/2

黄麹独特の柔らかくてフルーティな味わいと香りをしっかりと残したまま、大変に奥行きの深い焼酎。味に深みがあって練れた感じがします。うまい焼酎は辛口だろうが甘かろうがたいていそうですね。
大正11(1922)年創業の蔵ですが、昭和44(1969)年、先代の死去に伴いいったん閉鎖を余儀なくされます。再開は平成11(1999)年。清冽な湧き水の出る土地を霧島山中に求め、黒瀬杜氏でもあった先代の弟さんの協力もあって再出発をします。
いったん途絶えた伝統を復活させた熱意は、製品に対する妥協を許さなかったのでしょうか。有機栽培の原材料、湧き水、カメ仕込み、今では大変に珍しい木樽蒸留など、大変手間のかかる凝りに凝った酒造りをしています。そのため、蔵全体の生産量でも年間200石しかありません。黒麹で造った普通の「萬膳」ですら、なかなか手に入りませんが、こちらはさらに希少品。機会があればぜひお飲みください。
萬膳庵 有限会社萬膳酒造(霧島市霧島永水宮迫4535番外2)
2009/5/11

あんまり強く濾過していないのでしょう。口に含むと一瞬、イモの油分を感じるけれども軽さとキレの中に、甘味がきちんと残っている秀逸な焼酎。
宮崎県南部は、薩摩藩の影響が強かったせいか焼酎も宮崎で一般的な20度ではなく、25度が普通です。この焼酎も淡麗だけれどもしっかりした味わいがあるのは、大隅系の出来の良い焼酎に似たところがありますね。
104号と機械的な名前が付いているのは、同社の104号タンクで出来た焼酎が特別うまかったため、これだけを瓶詰めして出荷したことに由来します。
ご承知の通り、蔵元は、いくつかのタンクの原酒をブレンドして出荷します。年によってそれぞれのタンクの出来映えも変わりますから、そうしないと品質を一定に保つことは難しい。
それをあえてやる、というのは相当自信があるからでしょう。当然、生産量も極端に少ないので、扱う酒屋は全国に数えるほどしかないそうです。
ところで、宮崎県内の蔵元の多くは「宮崎酵母」と呼ばれる、鹿児島で一般的な酵母とは系統が異なるものを使っています。かつての県工業試験場が分離生産したものですが、元々はこの松露酒造の家付き酵母だったとか。
ともあれ、ナースマンさん、おいしーものをいつもアリが父さん。
m(_ _)m

松露104号

松露酒造株式会社(宮崎県串間市寺里1丁目17番地5)
2009/5/31