創業天保5年(1834)という大変由緒ある蔵が、有機栽培の紅系イモと黒麹を使って大甕で丁寧に仕込んだ超高級品。
宮崎の焼酎はアルコール度数が20度と若干低めなのが多く、これもそうで、あくまで軽く上品な口当たりが特徴です。湯割りなぞすると良さがさっぱり分からないので、生がいいです。たいていの方はロックで召し上がると思いますが、冷やすのは香りを楽しめないので私は嫌い。
だいたい、キンキンに冷やしてうまいのは発泡酒だけ。良いビールはやや冷えた、ぐらいが一番うまいと思う。日本酒もしかり。……と話が飛んだ。
ところで、人造大理石のカメに入っておりますが、まぁ梱包のバカ丁寧なこと。段ボールの箱の中にニス塗りの木製箱、その中に紙で包んだ上にラップ、アルミホイルで二重三重に封をしてありました。もひとつ言わせてもらえば、甕から酒を注ぐひしゃくは人造大理石より木製がいいなぁ。
って、いただきものをあっという間に飲み干したくせに、何を注文付けているんだか。
ヘ(^^ヘ)(ノ^^)ノ
甕雫(かめしずく) 京屋酒造有限会社(宮崎県日南市油津2-3-2)
2010/4/17

イモの来た道・4
サツマイモを県本土に持ち込んだのは指宿の前田利右衛門であった、というのは「前田利右衛門」の項でご紹介しました。が、県本土でサツマイモ栽培が定着するよりも以前、種子島では盛んに栽培されていたようです。元禄11年(1698)に種子島藩主・種子島弾正久基が、琉球王・尚貞からもらったイモを、下石寺の大瀬休左衛門が栽培に成功した、と文献に残っています。
種子島は元々地下水が豊富で、品質の良いイモが取れるせいか島内の焼酎はどこもおいしい。口当たりが滑らかで上品な、イモの甘味がしっかり残っているのが特徴です。南泉しかり久耀しかり。
これもまさにその通り。
ちょっとしっかりした甘味があるのにツルリとした感じが堪能できます。ぜひどうぞ。
m(_ _)m
しま甘露 高崎酒造株式会社(西之表市西町6993-1)
2010/4/24

酒が寝ている・2
「あれ? こないだ飲んだ時と味が違う」と戸惑うことがありませんか? 焼酎に限らず日本酒やワインでも同じです。たいていが、味がまろやかに、香りがより引き立つように変わっている。ハタ! と気が付いたのが「封」。
焼酎も開封して外気に当てて数日経つとはっきりと味が変わります。まぁ30数年間、酒ばかり食らってようやく気が付いたのかぃ? と言われれば返す言葉がないが。
どっしりした深みのある焼酎ほど、その傾向が強い。開封直後はどんよりと曇ったような香りと舌に刺さるような味が残っているのが、ただ開封しただけで数日経つと、見事な甘い香りが立ち舌触りが柔らかくなる。日本酒やワインと違って神経質ではないので、極端に温度が上がらない日陰にでも置いておけば十分です。
で、この「アサヒ」。開封直後はなんてことない。皆「フツー」と言いながら飲んでいたら翌々日あたりから玉露などに負けないくらい甘いうまい焼酎に変身しました。
玉露や武家屋敷などより香りが弱く感じますが、慣れない人にはこっちの方が向いているのかも知れません。
アサヒ 日当山醸造株式会社(霧島市隼人町西光寺649)
2010/4/24