ほんのりとシモン酒と同じ爽やかな香りがして、飲み口は大隅の酒らしくちょっと軽い。芋の甘さもしっかりと残っていて、これもたいそう実力のある焼酎です。
阿蘇、霧島山系を抱える熊本も宮崎もそうなんですが、鹿児島県はどこに行ってもおいしい水を飲むことが出来ます。豊かな森林が貯めた雨が火山灰でできたシラス台地でしっかりと濾過されて湧き出るんだから当然ですが。旧有明町蓬原地区もそうした湧水が豊富なところ。シラスで磨かれた地下水を使い、1次仕込みは全量甕とか。生産量は少ないけれども、まず満足することは請け合いです。
これも標準酒。1升2K以下で手に入ります。
蓬乃露 丸西酒造合資会社(志布志市有明町蓬原1397の1番地)
2010/5/30

記録的な猛暑でバテ上がった今年の夏も終わってようやく湯割りが楽しい季節到来。とゆーわけで半年ぶりにアネックス「焼酎館」も更新ですな。
最近、南米朝練ののんべいたちがすっかりはまっている、国分は「玉露」の高級品です。
白麹と厳選された材料を、大甕でゆっくりと醸すのだそうで、普通の「玉露」でも丸くてうまいのに、さらに強い甘味が特徴。口当たりも練れていてすごく上品かつふくよかな酒です。
ひところのような馬鹿げた焼酎ブームは落ち着いたとはいえ、まだまだプレミア焼酎が跋扈してますが、これは2K台で普通に買える。とても幸せな気分にさせてくれる逸品だと思います。
玉露(本甕仕込) 有限会社中村酒造場(霧島市国分湊915番地)
2010/10/3

「超豪傑芋焼酎」とおどろおどろしいラベル、裏には「興味本位で購入される方はご遠慮下さい」なる注意書き。
どれだけ強烈かと思ったら、香りが良く甘く、大隅系の焼酎と同様にキレと軽さを併せ持ったむしろ上品な酒でした。このラベルや注意書きは、焼酎を初めて飲む方に向けたものか、それとも冗談か、ですな。
これ、飲んでて「辛口」とか「甘い」とか、よく使われる表現は必ずしも的確ではないのかな、と思いました。この焼酎、確かにキレが良いので「辛口」に近いけど、それでは口に含んだ瞬間に感じるイモの甘味とそぐわない。「ドライ」の方が近いような気がする。同様に、「さつま寿」や「南之方」のような甘く濃い焼酎は「フルボディ」と呼んだらかなり性格を表していると感じます。
いずれにせよ、味を言葉で表現することの難しさには毎度毎度、乏しいボキャブラリに苦しんでおります。
ナースマンさん、毎度おいしーものをありがとうねん。
山猪(やまじし) すき酒造株式会社(宮崎県小林市須木下田1270)
2010/11/13