酒の適温
某所での新年会。普段は焼酎ばかりなのですが、正月は皆さすがに日本酒を飲みたくなるようで、四合瓶が6本も持ち込まれました。のんベェばかりのせいか、いずれも純米吟醸。
このうち「繁枡生原酒」と「奥の松」は前日に封を切って空気に触れさせたうえ、冷蔵庫に保管しておきました。これだけで味も香りも変わるんだから、ホント。
他は当日持ち込みなので、代わりに封を切った直後に結構な勢いで揺すってやります。これだけでもかなり違います。
でも一番大切なのは、温度。室温以上で飲まないとうまさは分かりません。冷えた日本酒なぞうまくも何ともない。
九州の酒、写真の中では繁枡と杜の蔵ですが、これらはバナナ香メーンで甘口、東北、北陸の奥の松、宋玄はリンゴ香メーン。石川の菊姫は山廃仕込みなので独特の癖のあるフルボディ。島根の王禄は、炭酸っ気がいつまでも残る特徴のある味。室温で飲むとそれぞれの特徴がよく分かります。
さらに温度を上げて、軽く燗を付けるとより香りと味が強く出ますが、菊姫はさらに熱めに燗を付けるとクセのある舌触りが一変して、酸味は強いけれどとっても素直な飲み口になります。
てな具合で、7人でこの6本をほぼ飲み尽くし、今年の無事故を誓ったのでありました。
へ(^o^)/
2011/1/8

祝!九州新幹線全通!!
2011年3月12日の九州新幹線全通を記念して、同日から発売される新商品。??発売前に空き瓶とはどーゆーことかって?
(^^;)  ヘ(^^ヘ)(ノ^^)ノ
これ、「白波」ブランドとしては初めての黄麹仕込み。この会社、蕃薯考などの高級品では、「どんぶり仕込み」という古い製法を使った商品に黄麹を使っていますが、いわゆる標準酒では初めてのはず。
お世辞にもまろやかとはいえない普通の白波よりも、かなり穏やか柔らか。このあたりが黄麹のおかげなんでしょうかね。
同社の人は「ロックでどうぞ」なんて話してましたが、これは新幹線全通で増えるであろう九州外からの観光客を意識した発言だと思います。やっぱり、ゆっくりと湯割りで楽しむのが好きだな。
ちなみに「さくら」は九州新幹線の主力列車(最速バージョンは「みずほ」ね)なので、九州新幹線自体のイメージが「さくら」なんですな。もちろんラベルもそれに合わせた淡いピンク。それにしてもこの会社のラベル、どれもきれいだね。
さくら白波 薩摩酒造株式会社(枕崎市立神本町26番地)
2011/2/19

鹿屋市の東(って、町村合併のせいで今は鹿屋市なんだけど)に位置するのどかな農畜産地帯、串良町柳谷集落で造っている焼酎。この地区、サツマイモと土着菌を活用して村おこしを実践、収益を地元住民に還元するというユニークな試みに成功したことで有名です。take offの原動力がこの焼酎。これが評判を呼び、村が潤うことになりました。
確かに、大隅の焼酎らしい軽やかさの中に、しっかりとした甘みと癖の少ない香りで、大変に飲みやすい焼酎です。生産量も少なく、なかなか手に入りにくい焼酎ではないでしょうか。
ところで、「柳谷」がなんで「やねだん」になるのか。
これについては「九州方言考」(読売新聞社刊)に故夏目漠氏が面白い話を書いています。
薩摩弁の特徴として@語彙に国語のそれと違ってまるっきり見当のつかぬものが多い--これはわかりますな。んで以下
A組織の音分子を抜き取ったり併合したりして短絡化するB促音法を濫用して短気に縮めるC拗音法と発音法も過度に用いる--などを挙げているのであります。これらの結果「やなぎだに」は現地の発音では「やねだん」になってしまう、というわけ。
「九州方言考」は地元、地元出身の作家、詩人がそれぞれのお国言葉について書いた評論集ですが、時に抱腹絶倒、時に田舎の香りにホロリ、ユーモアと郷土愛あふれた本です。。この「やねだん」をはじめイモの香り豊かな焼酎片手に読んではいかがでしょう。
 やねだん(柳谷) 豊重哲朗(鹿屋市串良町上小原4964-2)
 2011/3/19