「音楽仕込み」で有名な蔵。関東、関西の方には、同じ蔵の麦焼酎の方が知られていると思います。
醸造するタンクに振動機(スピーカーからコーンを外したようなものだな)を取り付けてクラシックを流すと、あ〜不思議、まろやかな上質の酒になるのだそうな。その辺りの故事来歴、つーかうんちくは同社のホームページに詳しいので、そちらをご参照いただくとして。なかなか上品です。薩摩半島中部、西側の酒は香りに乏しいのが物足りない方もいるだろうけど、しっかりとしたコクがあってちゃんとした焼酎ですよ。
ところで、この「音楽仕込み」。賛同する飲食関係業者が集まって「日本音楽熟成協会」なる任意団体を造っています。甘みたっぷりのバナナ、とか音楽熟成うどんとかいろいろありまっせ。本当かどうかはご自身のリスクでお試し下さいMASI。
で、聴かせる音楽はモーツァルトがいいらしい。「春の祭典」とか「ツァラトストラはかく語りき」じゃだめなのかなぁ。どー味が変わるか、ってのをやってみてほしい。ついでにフリージャズとかデビルボイスとかも。
田苑 田苑酒造株式会社(薩摩川内市樋脇町塔之原11356番地1)
2011/10/25

前のページに紹介した高級品に対して、こちらはこの蔵の標準酒。
高い方を紹介したから、こちらはあえて紹介しなくても、と思ってたんですがね。高級酒よりもうひとつ甘い香り。バニラ? クリの渋皮煮にも似てるな。ほのかなキャラメル香? かもしれない。口当たりもこちらの方が柔らかくて個人的には好み。何度も書いていることだけれども、ブームに乗った企画高級品よりもその蔵の標準酒が品質が安定していて安心して飲める。実際、リピーターになっているのは玉露、南泉、さつま寿etc…、大抵が2000円以下で買える標準酒なんよね。
さてっと。
これとかあれ(内緒(*^_^*))とか、会社近くの酒屋さんになぜかいつでも置いているのでもっぱらここのお世話になっていますが、そこの大将、最近付き合いのある蔵を回って、あちこちで同じことを言われたとか。ブームも一段落、標準酒こそしっかり造らんと本当に焼酎の好きなお客さんが離れていく、と。
この話聞いて安心しました。多分、私が生きているうちはうまい焼酎が飲めそうです。
大和桜(標準酒) 大和桜酒造株式会社(いちき串木野市湊町3丁目125)
2011/10/25

「焼酎館」を始めたころ、取り上げたことのあるブランド。今秋、初めて黒麹を使った焼酎を出荷、某所で飲むことができました。どこの蔵も、ブームに乗って黒麹や黄麹を使った商品が数多く出回るなか、今まで「黒」を造っていなかったってのも大変珍しいと思う。
湯割りでいただきましたが、しっかりとしたコクと甘みのバランスが良く、大変おいしい焼酎に仕上がっています。あまたある「黒」のなかでもかなり秀逸な方ではないでしょうか。比較対象に標準酒の白麹もいただきましたが、こちらは口当たりが一段柔らかくてまろやか。以前取り上げた際は「頑張れ!」と書きましたが、以前の柔らかい甘い焼酎に戻っておりました。比較的手に入りやすいので、どちらも買い、ですね。
黒島美人 長島研醸有限会社(出水郡長島町平尾387番地)