「佐藤」は、3Mと呼ばれて法外な値が付くプレミアム焼酎の次、ぐらいに高値で取引されることのあるブランド。個人的には3Mのうちふたつよりも遙かに好みだが。
以前、ここの麦焼酎をご紹介しましたが、この「黒」も口に含んだとたん、麦と同様に大変香ばしい香りが広がります。独特ですね。
非常に口当たりが良く、軽くて甘い感じがします。黒麹のせいかそれがくっきりとしているから大変おいしくいただける。これならロックで飲んでも特徴が良く残っているでしょうな。ただ、氷で冷やして飲んだらせっかくの良い香りと甘さが弱まってしまう。
私はそんなもったいないこと、よーできまへん。
(*^_^*)
佐藤(黒) 佐藤酒造有限会社(鹿児島県霧島市牧園町宿窪田2063 )
2012/1/21

壱岐スーパーゴールドで知られる玄海酒造の最高級品。壱岐焼酎は、独特のつるんとした味わいですが、あまり香りがしない、と思い込んでいたらまぁ、封を切ったとたんに見事な吟醸香が鼻をくすぐります。イモ焼酎は干しぶどう、プルーンか沢庵系統の香りが主流ですが、こちらはバナナやリンゴに近い香りで球磨焼酎に近い。
シェリー酒に使った樫樽で熟成させるのはスーパーゴールドと同じだけれども、あれはアルコール度数は22°か33°なのに、こちらは43°。だけど実に飲みやすいんだな。上等なウイスキーと思えばちょうどよろしい。
ところで「松永安左エ門翁」というのは、明治から昭和にかけて活躍した壱岐出身の実業家。慶應義塾を中退、日銀に入行、さまざまな事業を経て西部合同ガス(現西部ガス)社長、東邦電力社長。昭和の初めに民間による電力事業再編や戦後の9電力会社体制を推進して「電力王」とか「電力の鬼」などと異名を取ります。
官僚、軍閥嫌いでも知られ、茶道具、古美術の収集家でもあり、国宝を含む収集物は東京国立博物館や福岡市美術館など各地で保管されています。
松永安左エ門翁 玄海酒造株式会社(長崎県壱岐市郷ノ浦町志原西触550-1)
2012/1/21

昔ながらの甕壺仕込み(開口部だけを地表に出し甕を地中に埋めることで温度が安定し、まろやかな味になるといわれてます)、木桶蒸溜(比較的ゆっくり蒸溜するので風味が豊かになる)など凝りまくった製法で仕上げた高級品「さつまおごじょ」の原酒。
大変まろやかでコクがあるのに素直な味。アルコール度数32°とはとても思えない飲みやすさであっという間になくなりました。翌週「あれ? これ飲んだかなぁ」つたら、袋だたきに遭いましたね。「お前がどの口でゆーか」つて。(^^;)
蔵元は飲み慣れない人を意識しているのか、ロックや水割りを勧めています。が水割りはともかく、こんなうまい酒を氷漬け(ロック、つぅとカッコ良く聞こえるけどこういうと飲みたくなかろ (^^;))にして味と香りを殺すことはないと思うが。そーゆーのはがんたれ焼酎でやっておくれ。もちろん湯割りでいただきましたがそれはそれはおいしゅうございました。
ちなみに「おごじょ」は、薩摩弁で「若い女性」のこと。「嬢」に強調の接頭語「御」が丁寧にふたつも付いたんですな。
ついでに。対語が青年を表す「ニセ」。若者組の新入り「新背(にいせ)」からという説と、「青二才」の「二才」だという説があるようですね。いずれにせよ女性に「御」をふたつも付けるとは、男尊女卑極まるようなことを言われる薩摩ですが、本当はそうではないということでしょうか。
さつまおごじょ蔵出 山元酒造株式会社( 鹿児島県薩摩川内市五代町2725)
2012/2/11

鹿児島県酒造組合ホームページリニューアル
「焼酎館」を書き散らかすにあたり、もっとも拠り所としているのが鹿児島県酒造組合のホームページ。しばらく改装休業中でしたが2012年2月8日に新装オープンしています。各酒造会社の基本データをはじめ、焼酎に関する様々な雑学。面白いですよ。
覗いて見て下さい。→鹿児島県酒造組合
2012/2/11