酒は封を切ってしばらくしてからの方が美味しい、というのはどっかで書いたな。焼酎に限らず日本酒もワインも同じ。
ただ、封切り後すぐに飲める酒と、本来の味が出るまで時間のかかる酒があるけれども地域的な傾向があると思う。焼酎なら大隅の蔵よりも薩摩半島、それも西側の蔵の焼酎は時間がかかる。日本酒も北陸、東北のに比べて、九州や中国四国の酒は開栓後数日経たないと本来の甘さが出てこないものが多いような気がしますな。
さて「獺祭」。岩国の田舎の蔵が全国区になったのはアニメ「新世紀エヴァンゲリヲン」で、主要登場人物の一人(葛城ミサトね)の自宅に、こやつの空き瓶がゴロゴロしているシーンがたびたび登場したのがきっかけ。
それ以前から知る人ぞ知る蔵で、西日本の酒らしいどっしりとした甘味とコシが特徴のうまい酒なんだが、すっかり手に入りにくくなっちまった。東京のシトは、近場の北陸東北にうまい酒が山ほどあるんだから、西国の田舎の酒にまで手を出さんでほしい。
いや本気(^_^;)
この「二割三分磨き」は、山田錦を77%削り込んで仕込んだ純米大吟醸。すっきりとした味わいの中に甘味とコシが残る絶品。ただしやはり西国の酒でシンは重たい。開栓後ちょっと置いて空気に触れさせたうえ、常温にしないと本来の味が出てこない。
問題は、そこまで待てん! あっという間になくなってしまう、と言うことなんだよね。
獺祭 二割三分磨き 旭酒造(山口県岩国市周東町獺越2167-4)
2015/1/17

サツマイモの一大産地、薩摩半島南部の産。明治30年創業というから、かなり古い蔵ですな。
田舎の小規模な蔵の例に漏れず生産量が非常に少ないので、県外ではあんまり見かけることのない焼酎だけど、黒麹らしい辛口のさっぱりした味わい。毎度のことながら、あと1〜2週間置いて飲むともっとコクが出るんだろうけど、その前にカラになっておりました。
こやつも湯割りがお勧めかと。
薩摩乃薫 純黒 田村合名会社(指宿市山川町成川7351-2)
2015/1/17