MASI。数あるイタリアのチクリの中でも知る人ぞ知る老舗です。日本では、なぜか九州は福岡・南米商会が90年代から2000年代半ばまでオーダーを受けていました。発注する数は年間10本前後と決して多くはありませんでしたが、このフレームを何本も見ていると、自転車の奥深さ、面白さを改めて認識させられます。

MASIの創始者、ファリエロ(Faliero Masi)の金看板。1970年代からファリエロが渡米して工房を起こした後も造り続けられたクラシック中のクラシックです。いわゆる「イタリアンMASI」と「アメリカンMASI」が存在してどちらも高い品質だった時代の名車。
パイプはほぼレイノルズ531。ファリエロ、2代目アルベルトともにコロンバスを使いません。コロンバスのグランクリテリウムがあるとしたら、アメリカ資本に乗っ取られた以後のアメリカンMASIでしょうか(あったっけ?)。ファリエロ渡米後、短期間、アルベルトも製作したようで、日本には商社を通じて少量入ってきたようです。私の手元にも1台あぐらをかいておりますが、素直な取り回しと直進性、柔らかな乗り心地を堪能できる非常にバランスの取れたマシンです。
それ故でしょうか、未だに世界中でたくさんのファンが乗り味を楽しんでいるようで、アメリカのオークションなどでも結構見ることができます。おかげで古いマシンにかかわらず、私の周辺にもそれなりの数が実動しています。

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