MASI。数あるイタリアのチクリの中でも知る人ぞ知る老舗です。日本では、なぜか九州は福岡・南米商会が90年代から2000年代半ばまでオーダーを受けていました。発注する数は年間10本前後と決して多くはありませんでしたが、このフレームを何本も見ていると、自転車の奥深さ、面白さを改めて認識させられます。

デダチャイSC61.10Aをメーンに、同じくデダチャイのカーボンバックセットを組み合わせたアルミフレームです。オールアルミとは違ってフィレット仕上げは存在せず、すべてビードが残った仕様です。
軽い踏み出しと剛性はそのまま。そのくせリアからの突き上げがすごくマイルド。接地性が良いので初速付近はもったりと感じますが30km/hを超えると俄然軽くなり、40km/h付近からは矢のように加速します。力さえあれば。金属フレームにカーボン素材を上手に組み合わせて欠点を補おうという考え方が出始めたころのものですが、今でもメーン三角アルミ+フォーク&ステイカーボン、って定番でありますから、なかなかの優れものでありますね。
ただし、さほど軽くはありません。500mmサイズでフレーム単体1.2kgです。でも素人が乗るにはこれ以上何を望むのかって、気がしますけど。当時で約26万円。
年齢層の高い南米商会のお客様には、オールアルミよりも優しい分、こちらの人気が高く意外に生き残っているはずです。