スポーツとして自転車に乗る人が増えています。
メタボ対策、地球温暖化、原油価格の高騰etc 環境と健康に優しい自転車の良さを知っていただくのは中学生のころからサイクリングに染まっていた間もなく老人としては大変嬉しいことです。
ただ、自転車、特にロードレーサーは一般に考えられているよりはるかに速い乗り物です。公道を走る以上、常に危険と隣り合わせであることを忘れては困ります。信号無視をはじめとする交通ルールを守らない行動は、自分がケガをするだけでなく、人様を傷つけてしまうことになりかねません。車やオートバイなどと一緒に道路を走る交通社会の一員として、上手に走るノウハウを覚え、マナーを守って走ることが、社会の自転車に対する理解につながると信じています。
ここで紹介する事柄は、あくまで公道上で事故を起こさないためのノウハウやマナーです。競技としての走り方と一致するとは限りませんので、その点を十分ご理解下さい。速く走るだけが能じゃない。社会においては「
無事之名馬」なのです。

始めに・いろはの「い」(超基礎編・1)
(1)信号を守る。
信号無視で直進するのは論外。でも左折なら大丈夫、と赤信号で曲がっていませんか? 自分で勝手に判断したって、他人様が思った通りに動く保証はどこにもないのに。そんなことをする人はよっぽどのお人好しだね。
横断歩道を渡る人がいるかも知れませんよ。中には、当たり屋さんもいらっしゃるかも知れませんねぇ。ぶつかりますよ。補償は莫大ですよ。
ともあれ、ちゃんと停止しているドライバーから見れば、ただの無法者です。
(2)真っ直ぐに走る。
ふらついて走るのは、接触事故の危険があるだけではありません。車のドライバーからすれば挙動が分からないためイライラの原因となり、無理な追い越しや幅寄せを招きかねません。
(3)子供は飛び出すもの。
ボールが道に転がった、道路の反対側にお母さんや友達がいたetc・・・。子供は唐突に動きます。道路脇に子供がいたら、何をおいてもまず減速。
子供を引っかけたら、あなたの人生は終わりです。想像力があるなら分かるでしょ?
2008/9/21

白線の車道側を走ろう(超基礎編・2)
自転車は、特に定められた場合以外は「車道を走る」ことになっています。では、車道のうち、どこを走るのか。
白線の車道側を走りましょう。左の写真は南米朝練の帰り、国道202号線を流している場面です。
全員がきれいに白線の車道側20cm付近を真っ直ぐに走っています。時速30km/h半ば程度ではまったく進路が乱れません。車のドライバーはストレスなく追い越すことができます。
「自転車は車道の左端を走る」と言われるせいか、白線の外側を走っている人を見かけますが、これは次のような危険があることを認識して下さい。
(1)白線の外側には排水溝があり、砂がたまっていたり舗装路面が荒れていることが多い。進路を乱す原因になる。
(2)道路左側で起きた突発事案(飛び出し、転倒など)に対して逃げ代がない。左側と右側、わずか30cm程度の差が、事故を起こすかどうかの分かれ目なのです。
(3)ガラス破片などが多く、パンクの原因になりやすい。
****************
車両は、歩道又は路側帯と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。(道路交通法第十七条)
2008/9/21

上手な信号待ち(超基礎編・3)
信号で止まった時は、左足を着くようにしましょう。
右足でもよさそうに思えますが、横にいる車からすれば不安定な自転車が右に傾いているのは嫌なものです。とにかく車のドライバーが嫌うことは極力避けることが大切です。
それに、左足なら歩道や縁石に足を乗っけて安定させることもできます。立ちごけしても、これなら左側にこけるので少なくとも車に轢かれる心配はありません。車も轢きたくはないのですから。
ついでに右側にこけると、変速機周辺にダメージがきます。カーボンフレームなどは運が悪いと、おしゃかになってしまいますよ。
(^^;)
ところで、右の写真、全員が右足を午後2時付近の位置に持ってきています。ちょっとしたことですが、踏み出しやすさに気を配ることでスタート直後にふらつかずに走り出すことができます。
なお、この時のギア選択も大変大事で、停止する前に、軽く加速できるギアに替えておきましょう。
力によって違いますが、ちょっと走れるつもりのホビーレーサーでも、リアスプロケットの大きい方から3〜4枚目がいいとこですね。とにかく、スタート直後にふらつくようなギアを選んではいけません。
2008/9/22