新しいパーツやメーカーの噂、非力なローディーの試乗記、複雑怪奇なパーツの互換性をクリアする方法etc・・・。自転車雑誌やプロショップでは相手にされないお話を集めてみました。随時更新します。
 ただし、あくまで「噂」と「裏技」です。眉にツバを付けてお読みください。安全のためには「裏技」はお試しにならないほうがよいか、と(^^;) 思います。
(2016/1〜4)

乗り心地の盲点>2016/1/26
最近、数人の方から立て続けに、ロードバイクの乗り心地を良くする方法についてお尋ねを受けました。
私の周囲は、年配&Not Racyな方ばかりなので、たいていがコンフォート系バイクの愛用者。それ以上どうするか、となると手組みホイールや25mmの太いタイヤを使うか。でも、最近のカーボンバイクに手組みは似合わないし、25mmタイヤで仲間とかけっこを楽しむのはちょっと辛い。
はてさて、と皆さんのバイクを見て気が付いたのは、例外なくシートポストが安物!!(ゴメンね)。これを振動吸収の良い高級品に替えるだけで、驚くほど乗り心地が改善されます。予算に余裕があれば、ステムとハンドルも替えるとさらに変わります。
昔からシートポストは乗り心地や剛性感を左右する重要な部品と言われてたんだけど、最近はフレーム側で調整ができるせいか、軽視されているような気がしますな。
いろいろなシートポストを試してきましたが、剛性感があるにもかかわらず乗り心地が良かった、イチオシはクロモリ製のシマノXTR!! あとはPMPのチタン製。逆に一番強烈だったのは、コリマのカーボン製エアロシートポスト。第一世代の柔っこいTVTに付けたら強烈な突き上げでケツが割れるか、と思いましたですよ。
あと、もしステアリングコラムにアルミ製スペーサーが使われていたら、これをカーボン製に替えるとハンドルの突き上げが激減します。だまされたと思って試してみて下さい。

グラファイトデザイン撤退>2016/1/26
カーボンフレームを製造販売していた「グラファイトデザイン」が、この2月で自転車業界から撤退するとホームページでアナウンスしています。同社は、カーボンシャフトのゴルフクラブで知られ、2010年にロードバイクフレーム製造販売に参入しましたが、採算に乗るほどは売れなかったようです。同社のフレームは高い剛性と乗り心地が両立し、私たち素人の間でも「よく走る」フレームとして評判でした。仕上げも丁寧で評価は非常に高かったのですが、逆にそんな真面目な姿勢が首を絞めたのかも知れません。国内の限られた市場では、ブランド力の強い欧米系バイクに太刀打ちするのは難しかったようです。
他業種から参入したブランドに共通するのは「モノはいいけど、高い、歴史とエピソードがない(講釈の垂れがいがない)」ってこと。我が儘勝手な趣味の世界なんだから、品質とプラスαの物語性、さらに採算…。矛盾する各条件をどう折り合わせるか。モノが良いから多少高くても売れるだろう、なんて甘い世界ではない、ということですね。
ものは(どこで造っているかは)ともかく、神話に彩られたヨーロッパブランド、数をこなす(左に同じ)アメリカブランド、OEMと廉価製品で経営基盤を確立した台湾メーカー、この中に割り込むのは並大抵ではありませんね。

ヨネックスに思う>2016/2/5
ヨネックス・カーボネックスに乗る機会がありました。
ご承知の通り、ラケットで培ったカーボン加工の職人芸で国内製造したというのがウリの新規参入組。
確かに、良い出来。加速感が軽いと往々にして転がらない(伸びない)感じがするんだけど、そこがほどよくバランスして気持ち良く走れます。試乗したバイクは開発スタッフが使っているものでごっついハンドル回りとシートポスト、25mm幅のWOタイヤを履いていたので私ごときにはちょっと辛かったですが、これを良質のカーボンパーツや23mm幅のタイヤに替えればさらに軽快感が出て素人にはぴったりのバイクになるでしょう。フレームの仕上げも素晴らしい。
が、申し訳ないが買わない。グラファイトデザインの時と違って、買おうという人は私の周囲に見あたらない。
結局のところ「フレームセット42万円ナリ」を小遣いから出させるだけの魅力があるか、なんだよね。
この価格帯は欧米の老舗がハイグレードの製品を競い合っている激戦地。40万円出すなら、デ・ローザやコルナゴ、アメリカンブランドを上回る何かがないとね。確かに良いバイクだけど、今乗っているデ・ローザよりも(私にとって)走るか、と言われると ? だし、ミーハー度は遠く及ばん。こんな金額を出せる人は限られているから、日本だけで商売しようとしたら成り立たんと思う。
グラファイトデザインの二の舞にならんためには+αの魅力作りが必要なのでしょう。例えば…という話は、某所の夜練でどーぞ。

自転車ローン>2016/2/13
今日(2月13日)の朝刊をツラツラ眺めておったら「自転車もマイカーローン」という記事が経済面に載っておりました。
山口銀行を中心とした「山口フィナンシャルグループ」が、これまで自動車、オートバイを対象にしていたマイカーローンを、自転車でも使えるようにした、という内容。100万円を超すような高額なスポーツ用自転車が売れてるんで、需要はあるということらしい。
今から20年前、デ・ローザ'73レプリカを手に入れるために奔走、金融機関からすげなく断られたことのある私にとって(あっ!その辺の経緯は駄文「姫お輿入れ記」をドーゾ)、隔世の感がありますな。いや、私に先見の明があったとも言えるな。
ギャハハ へ(^0^)/
まぁ、これで憧れのあの自転車を家族に迷惑をかけることなく手に入れるすべができたわけで。当たれば他行も追随するでしょう。山口、広島、北九州の皆さん! 大いに利用して下さいな。

ポタリングの効用>2016/3/4
長年続けているビギナー向けのイベント「エンジョイ・サイクリング」。毎回、南米商会のブログにレポートを上げているのは皆さんご承知の通り。40km平地基調なのだけれども、「本当のビギナーには無理じゃないの?」という声を受けて、先日、ポタリングをやってみました。福岡市西部の海岸沿いに沿って往復する20km足らずのコース(一部、通行止めなどがあり若干実走コースとは違いますが、概ねこんな感じ)。景色が良く春から夏にかけて、チンタラ走る大好きなコースなんだが、さすがに物足りんのではないか?と心配しておりました。が、意外や好評でした。
そこで気付かされたのが、ポタリングって、自転車を体に馴染ませるにはもってこいなんではないか、ということ。
このコース、走ってごらんになると分かりますが、狭い車止めをすり抜けたり、板張りの短い坂を登ったり、歩くような速度で180度ターンを強いられたり、車道を走るのとは違う難しさがある。慣れた人なら何と言うこともないが、ママチャリと違って、強い前傾姿勢でハンドリングがクイックなロードバイクだと、ビギナーはけっこう苦労するみたい。
んでぇ、そこそこ走れる人でも、最初っから速く走ることばかりに夢中になって、「自転車を思い通り操る」ことをスルーした人が多いのではなかろうか。と思うことがたびたびあります。「ロードバイクは不安定でゆっくり走れない」という人もいるぐらいだし。
たまには、15km/hで景色を楽しみながら走ってみて下さい。知らず知らず、自転車の取り回しが上達しますよ。