持ち主に愛され、可愛がられていたバイクも長い年月のうちに壊れ、また、朽ちていきます。なかには良い持ち主に恵まれないままプロショップの隅で眠ったままのバイクもありましょう。
こうしたバイクのフレームが、何本か私のもとで復活の時を待っています。
狭い我が家にそうそうたくさんは置けないとは思いながら、何かの縁があっての邂逅です。ピカピカの新車時代、オーナーに愛されていたころの姿に少しでも戻してあげたい、と思っています。

<メッキを磨く>2008/12/21
フォークやチェンステイ、シートステイとラグに施されたメッキは、すっかり曇り点々と錆が浮いています。
フォークだけでも再メッキしようか、とも思いましたが、フレームに施されたメッキとのバランスが悪くなりそうなので、取りあえず磨いてみることにしました。幸い、下から浮き上がっている錆ではないので丹念に磨けば何とかなるのではないか、という期待もありました。
点々と付いた錆を落とすのは意外に大変です。コンパウンドではなかなか落ちませんし、あんまりコンパウンドをかけるとメッキがやせてしまいます。
うまい方法を社長から教わりました。写真のようにドライバーの先端で浮いた錆をピンポイントで擦り取るのです。根気のいる作業ですが、擦るたびにボロボロと剥げ落ちてくれます。メッキに傷を付けないよう、力を込めずに丹念に作業します。

<イタリア人のやることは・・・>2008/12/23
フロントフォークを磨いている最中、社長から「クラウンの裏はどうなってるね」と聞かれました。何のこっちゃ、と思う間もなく社長がフォークを手にとって「やっぱし」
フォークの裏はメッキが回っていないので、銀色の塗装でごまかしているんですな。おまけにサフェーサーまでちゃんと吹いていることが判明。
マスターオリンピックのクラウン裏は、どれも同じ処理をしているとか。電極を裏にもうひとつ取り付けなければ、裏にメッキが回らないのが理由のようだけど、造るのは100や200のオーダーではあるまいし。
サフェーサー吹いて塗装をかけることを考えたら設備投資したほうがかえって安上がり、と思うのはシロート考えなのでしょうか?
国産のフォーク、裏まできれいにメッキしてあるのがいくらでもある
んだが、と思って2本のMASIみたら、やっぱりコルナゴと同じやり方でした。
何で?
ヘ(^^ヘ)(ノ^^)ノ

<塗装の艶出し>2008/12/23
点々と錆の浮いたメッキ部分に比べて塗装面は大変良い状態でした。
ところどころに剥げはあるものの、ちょっと磨いてやればきれいに艶が戻りそうです。
使うのはオートグリム(AUTOGLYM)のスーパーレジンポリッシュ(写真右)。イギリス王室御用達なる車用艶出し剤です。液状で、配合されたレジン(低分子樹脂)が細かい傷を滑らかにして艶を出すとともに、皮膜を形成して塗装面を保護する、という触れ込み。確かに見事に艶が戻ります。
ちなみに、左側のは3M社のハード2という極微細コンパウンド。某商会がここぞと言う時に使っております。これも大変きれいになります。どちらも値が張るのが欠点ではあるけれども、それぐらいの価値はありますね。