2013年晩秋
今夏のツーリングが大変短かったことに「?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。諸般の事情が重なったためではありますが、実はこの秋に大きな計画を立てていたんですな。その関係で夏はやや短くなってしまった、と。その辺の事情はご本人の手記を御拝読下さい。

11月23日 (台中~苗栗~新竹~桃園  145km)

今回の旅の中で最も長く走る日なのでホテルの朝食券を放棄し簡単な部屋食で済ませ早朝6時出発。すこし寒いぐらいだが原チャリに囲まれるラッシュアワーを避けられ快晴で気分爽快。最初の休憩は8時半セブンイレブン。ロードレーサーの練習の集合場所になっているらしく10人くらいの若者がいた。桃園までどれくらいあるか聞いたら200kmと言われたが、INOU君がそれは無いでしょ!?と反応し小生も地図を見ても200kmなら台北を越えてしまうと思う。彼らは山の方に向う道路に消え我々は省道13号をひたすら北上する訳だが、ここで休憩したのが正解だった。
すぐにダラダラ登りの峠に差し掛かり標高400mくらい上っただろうか、そして下っていくと木彫工芸の三義という街を通過した。
台湾は“漢字の国”道路標示も広告看板も漢字のオンパレード。
ちなみに自転車→自行車、モーターバイク→機車、自動車→汽車 鉄道列車→火車となっている。
省道13号から省道1号に入ると、新竹市だ。ここに食べてみたい「肉まん」の店がある。
ちょうど昼、「地球の歩き方」に載っていたしニュージーランド在住の友人からプレゼントされた本にも紹介されていた肉まんの店「黒猫包」に到着。皮が白くつるっとしてほっかほっかで美味いが大きく1個(20元)で満足。
今日はあと走るのみかと思いながら、たまたまストップして自転車を降り、閉まっているシャッターに立てかけたらおばさんが道路を渡ってきて「悪いわね~今からそこあけるのよ。」というそぶり。「ごめんごめん。」と自転車をどけたら、INOU君が5m先を右折したところに老街(古い町並み)があるのを発見。
「湖口老街」という町で、路地に入ると正面に古い教会がありそこを左折すると100年前のような空間が出現した。
石畳の左右にバロック様式とでも言おうか赤レンガのアーチが映える建物が300mにわたって続く。今回3箇所の老街に立ち寄ったがそれぞれに趣がある。
湖口から今日の目的地、桃園まであと40km、桃園に近付くにつれ車が増えてきた。途中、刺青のロードレーサーに声を掛けられる。なんと言ったか分からないが「ガンバレ!」らしきことだったのだろう。
朝早く出発したおかげで午後3時半に桃園着、本日のホテルは翰品酒店。
地下の駐車場に自転車を置く。フロントは1階だがホテルは9階から上でロビーは天井が高く、部屋への通路も9階から17階まで吹き抜けになっている。洗濯しないと汗まみれで着る物が無い。ランドリーは最上階の17階、行ってみるとフィットネスのジムとパソコンルーム兼会議室みたいなのがあって眺めがいい。
日本だったらここはレストランの場所なのに…
INOU君の解説では中国系の人達は低層階を重要視しているので最上階は洗濯場なんでしょうね、とのことである。
1時間半ほど洗濯に費やし午後6時過ぎから街に出る。車道と歩道の区別がはっきりしていなくて歩きにくい。桃園駅のそばの百貨店、新光三越のデパ地下をぐるりと見渡し夕食は鉄板焼きステーキセットにした。
本日の走行データ
D 144.7km
T 6:46
A 21.3km/h

11月24日 (桃園~台北 40km)

普段は超ラッシュアワーとなるのだろうが、日曜日なのでそんなに混まないだろうというフロントの人からの情報と、台北までは距離が短いので今日は楽勝だ。
省道1号とバイパスの省道1甲を走る。少し上ってズーッと下ったらだんだん街中になってきた。台北には大きな川が流れていて先ず新海大橋をわたり、次が華江大橋。両方とも機車専用道路だったので走りやすかった。華江大橋では歩道をサイクリングしている集団を見たが狭くて危なそうだった。
台北駅まで500mの所から歩道にあがり進んで行くと信号に引っかかり、前を走っていたINOU君は先に行ってしまう。信号が変わって追いかけるが、道路がなくなってINOU君の姿が見えない。台北駅は見えているのだが。迂回していくしかないし、その前に帰りの空港に行くバスセンターを確認に行くことになっていた。すっかり迷子になり、確かINOU君はスマホ持っているから電話番号は?と思ったが控えていない。
うーん困った。ともかく台北駅に行ってまず小用を足してバスセンターを探す。ところが、バスセンターは数か所あるらしく、尋ねると目の前の一番大きいのを教えてくれるが、そこじゃ行ってもどこにいるか分からんと、途方にくれながら桃園国際空港行きのバスセンターをもう一度聞くと今度は違う方向を指差している。そこでまた別の人に聞くと同じ方向を教えてくれたのでじゃあ間違いないと自転車を押していくとようやく再会。400mに40分かかってしまう。
お互い会えなかったらこのまま自転車たたんで空港やったねと言いながら、台北駅のクリスマスツリーを眺めに戻る。
まだ朝の10時、中正紀念堂に行き遠くから写真だけ撮る。
次に衛兵の交代式がある忠烈詞へ行く。到着するとちょうど交代式が始まった所だった。
国光客運台北バスターミナル前で自転車を輪行袋に収納して13時10分のバスで空港に向う。空港で着替えをすましCX510便17時50分、桃園国際空港発、20時55分福岡着だが、少し遅れてぶじ到着。
本日の走行データ
D 40km
T 2:27
A 16km/h

若者(編注:世間的には40過ぎた立派なおっさんです(^_^;))が用意したスマホに台湾で購入したSIMがカーナビの役目を果たし、ほぼ迷うことなく410kmを完走できた。台北での迷子はご愛嬌、これくらいないと出来過ぎ。
台湾語はまったくわからなかったが日本語とちょっとした英語でなんとかなる。
それに安全な国だし親日的だと感じた。東側は列車と組み合わせてまた行くつもりだ。