2014年晩秋
昨年に続き気候の良い11月に台湾を走った。
今年は南の高雄から太平洋側(東側)を北上し台北まで行けば2年がかりで1周することになるが、距離は600kmに及ぶ。これを日本からの移動日を含め5日間で走るのは老体には酷である。今回も付き合ってくれるINOU君と事前にコース選定や宿泊地の打ち合わせを4回行い、宿泊は高雄、台東、花蓮、宜蘭の都市部に決定。コース途中、列車やバスに乗り、無理なく旅が出来るようにすることは一致。ただし、どこでどうする、はその場で決めることにした。
台湾観光協会に鉄道やバスの情報を問い合わせた。台東~花蓮間の180kmは海線(省道11号線、バス)と山線(省道9号線、鉄道)があり、どちらを選択するか最後まで迷った。そういうわけで、今年は乗り物(火車=鉄道やバス)と、INOUの力を借りながら、アゲンストの風に悩まされながら雄大な景色を眺める旅となった。

11月20日(福岡~台湾への移動日)
朝7時、地下鉄で姪浜駅から福岡空港へ向う。昨年と同じキャセイC×511便で台湾まで2時間半のフライト。
台湾桃園国際空港からバスで新幹線の駅へ、そして台湾の南部、高雄まで新幹線~地下鉄と乗り継いで昨年と同じ「寒軒国際大飯店」に宿泊。
このホテルは五つ星だがリーズナブル、自転車の出発地点にとても良いロケーションだ。
今年もすべてスムーズに行き、午後4時前にホテル着、さっそく街にくり出す。
本で見つけた小籠包の店が、高雄の中心を流れる愛河の近くなので川沿いを散歩する。ライトアップされて観光船も浮かんでいたが、平日で時間が早いのか閑散としていた。
人に尋ねながら小籠包のおいしい店「龍袍湯包」を探し当て、龍袍湯包とカニみそ湯包、えびシュウマイそれに辛口ジャージャンスープ麺を食す。美味しかった!
ホテルの戻り自転車を組み立ててウイスキーのオンザロックでグッドナイト。

11月21日 (高雄~枋寮~大武~台東 106km)
朝6時半、ホテルの朝食を腹いっぱい食べ7時半出発。省道17号線をバイクの集団と共に南下、30分もするとバイクは消え、ちょいフォローの風で走りやすい。省道1号線に合流すると枋寮に入り9時半過ぎに枋寮站(駅)に到着、まず列車の時刻表を購入。
台湾は南北に3000m級の山々が連なっているので台湾海峡側から太平洋側へは列車でトンネルを抜けるのが賢明だと考えた。自転車をばらさずそのまま載せる方法がないか思案していたのだが、INOU君が交渉して午前10時56分発の莒光751号(急行)の貨物室に乗せることができた。
駅員がしきりに電話で連絡をとっていたので何かなと思ったが、貨車のドアを開け自転車を積み込む作業が必要で、大武の駅でも降ろすのに同様の作業をしていたので、その為だったのかと想像した。
40分程の乗車だったが景色は海→山→海と変わりほとんど民家はなかった。大武站で降り観光案内の看板を見るとなんと日本語もあった。こんな所に観光客は来ないだろうに…
站にいた人とニコニコしながらかみ合わない(通じていない)話をして、省道9号線を北上。
適度なアップダウンのある広大な海岸線で、水平線が丸く見える。ポツリポツリと雨が降ってきた。
ちょっと濡れながら午後1時半、太麻里の四姉妹学士がやっているという「台湾牛」のレストランに到着、この辺り唯一の大きな牛肉麺の店だ。台湾の麺は博多流では“やわ”。歯ごたえのある“かた”や“ばり”は全くない。
この店に入る時、ロードバイクが置いてあって中にサイクリストが一人居たので挨拶をした。そして注文をして席に座ると先ほどの男性が来て日本語で話しかけてきた。
日系の会社に勤めていたとかで流暢な日本語だった。初老の雰囲気でお互い年齢のことが気になる、こちらから切り出そうとした矢先「何歳ですか?」と聞いてきたので「67です」と言うと「私は62歳です」お互いこの年でこんな所で出会えハッピーハッピー。
ころで、台湾も自転車ブームだ。サイクリングロードもあっちこっちにあるしツーリングしている人も多かった。中国大陸から来て12日間かけて台湾を一周するという若者にも出会った。
食べている間に雨はあがり、ちょっと行くと工事中のダートが約1km続き、泥まみれになる。午後3時半に台東の本日宿泊する「楽知旅店(Yes Hotel)」に到着。
洗濯機で衣服の洗濯をしている間に、ホテルの前で自転車に水をかけながら(INOU君が)掃除して部屋に入れる。日が暮れてきたので晩飯をどこにしようかとホテルを出ると、目の前に行列ができている餃子屋があった。が、まずは街をぐるりと回り夜市に行く。
本に紹介されていた小ぶりのカキが入ったオムレツというかお好み焼きと言うか「蚵仔煎」にトライ。中身はうまいがタレが甘い。
結局、ホテル前の先ほどの餃子屋さんで餃子25個、チャーハン、卵スープ。どれも美味しかった。台湾では水餃子が主流でここのお店は一粒が大きく餃子だけで腹いっぱいになるほどだった。
本日の走行データ
T 4:40
D 106km
A 22.9km/h