2014年晩秋
昨年に続き気候の良い11月に台湾を走った。
今年は南の高雄から太平洋側(東側)を北上し台北まで行けば2年がかりで1周することになるが、距離は600kmに及ぶ。これを日本からの移動日を含め5日間で走るのは老体には酷である。今回も付き合ってくれるINOU君と事前にコース選定や宿泊地の打ち合わせを4回行い、宿泊は高雄、台東、花蓮、宜蘭の都市部に決定。コース途中、列車やバスに乗り、無理なく旅が出来るようにすることは一致。ただし、どこでどうする、はその場で決めることにした。
台湾観光協会に鉄道やバスの情報を問い合わせた。台東~花蓮間の180kmは海線(省道11号線、バス)と山線(省道9号線、鉄道)があり、どちらを選択するか最後まで迷った。そういうわけで、今年は乗り物(火車=鉄道やバス)と、INOUの力を借りながら、アゲンストの風に悩まされながら雄大な景色を眺める旅となった。

11月23日(花蓮~太魯閣~蘇澳~宜蘭 80km)
清水断崖に行くかどうか、コース選択にすごく迷った。
清水断崖は台湾東部、花蓮県の清水山(2,407m)の頂から水平距離わずか4kmで海に切れ落ちることで知られる名所。花蓮~蘇澳を結ぶ9号線のハイライトシーンである。
しかし長いトンネルがいくつかあり観光バスやトラックも頻繁に通る。
なので今回は危険を避けて清水断崖はあきらめ、奇岩と清流の渓谷の景観が楽しめる太魯閣国家公園に重点を置くこととした。
ホテルでゆっくり朝食を取り午前8時20分スタート、193号線の海岸線で太平洋に面した砂浜、七星潭をめざす。
朝は爽やかな天気、サイクリングロードも整備されている七星潭は、はるかに清水断崖を望む絶景である。
そこから1時間ほどの新城站へ立ち寄り自転車と共に乗る列車をチェック、新城站は別名太魯閣站で列車の発着の時は観光客でごった返している。
站から2kmの「東西横貫公路」と記されている門のところから省道8号線になり、太魯閣国家公園に入る。
山の中に入っていく割には勾配がゆるく観光バスや車が走っていても道路が狭くくねくねしているおかげで、スピードが出せないので自転車は走りやすい。
この渓谷の風景は筆舌に尽くしがたい。燕子口まで行って折り返し長春詞をながめ往復2時間の観光だった。

新城站に戻り明日の福隆から台北までの特急の座席指定を購入して午後1時30分発の区間車に自転車をばらさずに乗せた。清水断崖に一番近い和仁站で列車が10分停車、間近に断崖を見ることが出来た。
午後2時38分、蘇澳新站着。そこから25km先の宜蘭までフォローの風に乗り快適サイクリング。
予約していた宜蘭站近くのBOSS HOTELに午後4時到着。
洗濯をすませ、東門観光夜市を歩き駅前の日本料理の店に入る。
茶碗蒸し、刺身、焼き魚、手巻き寿司、てんぷら、形は同じだが少しだけ台湾風だった。

本日の走行データ
T  4:05
D 80km
A 19.6km/h