新しいパーツやメーカーの噂、非力なローディーの試乗記、複雑怪奇なパーツの互換性をクリアする方法etc・・・。自転車雑誌やプロショップでは相手にされないお話を集めてみました。随時更新します。
 ただし、あくまで「噂」と「裏技」です。眉にツバを付けてお読みください。安全のためには「裏技」はお試しにならないほうがよいか、と(^^;) 思います。
(2012/1〜2)

1A復活!>2012/1/21
しぶとく続くスチールフレームブームのおかげで、旧式なクイル型ステムの定番だったチネリ(Cinelli)1Aが復活、出回ってます。
現物を拝見しました。アルマイトが均一でなくてどこかマダラっぽいのやクランプボルトの頭が全く仕上げていないのはご愛敬だけど、何かぼってりしているなぁという印象。
どうやらクランプボルトが通っている部分が分厚いのがその理由のようです。昔のは下が開き加減でスマートでした。私の手持ちはほとんどが3ttt、1Aがないので、詳しくはどっかから古い1Aを引っ張り出して比べなければなりませんが。
で、こっから先は私の妄想。
全体のフォルムみて、何を連想したかというと昔の1AよりNITTOの安いヤツ。今回の復活は継続生産ではなく、いわゆる企画ものとか。ならば現行品を製造しているメーカーのOEMと考えるのが普通だよなと、常識的には台湾メーカーなんでしょうが…。

フォークの曲がり
右の写真のランドナー、ちょっと見で「フォークが打ち込んでない?」と思ってしまいました。よっく見ると中央のラインは真っ直ぐです。これ打ち込んだものを治具にかけてきちんと直したものなので間違いはありません。
錯覚を起こした理由はフォークブレイズの形。クラウン部が太くてホイール側になるにしたがって細くなりますが、これ、中心線に前後対象に絞り込んであるんですな。前側も中心線に向かって絞ってあるということは、上に比べて下の方が引っ込んで見えるので打ち込んだような錯覚を起こす、というわけ。
もちろんこれで何の問題もないのですが、ビルダーの中にはこれがどうしても気になるという人もいて、ここをきれいに見せるためのノウハウがあるとのこと。いろいろと聞きましたが、まぁこれはおおっぴらにはしますまい。
別に日本人が特別細かい、というわけでもなさそうで、かつてはコロンバスのパイプに前面が面イチになるように絞ったフォークブレイズがあったらしい。これなら手間が相当省けそうです。
で、ある職人が、日本のパイプメーカーに同じものを造れないか打診したところ「要望が少ないから」と断られたとか。そんなもんに頼らんでもオレはやれる、という頑固親父だらけだった、ということでしょうか。この辺は日本的? (*^_^*)

自転車と社会:6>2012/2/4
行政の困惑
警察庁が「自転車は車道を走らせろ!」と表明して4か月になりますが、福岡ではまだ何も変わっていません。警視庁と東京都のお手並み拝見、と様子を見ているという感じです。
上の5枚の写真は通勤途中に見かけた福岡市中心部の歩道の光景。ご覧になってお分かりのように、これらは自転車は歩道を走るもの、という前提で表示されています。左から2枚目は、事故を誘発するとして問題にもなりました(直進して車道から歩道に乗り上げようとする自転車を、左折と誤認して巻き込んでしまう)。おまけにこれ、自転車のマークが双方向に付いている。これじゃぁ自転車はどっち向きに走ってもいいと、認めているとしか思えない。
「歩行者優先」「事故注意」「スピード落とせ」…。自転車は車道を走るという原則は昔から変わっていないのに、警察を含めて行政側が現状を黙認している以上、そう簡単に方向転換はできない、ということでしょう。行政の困惑を見て取れます。実際、これらを取り除くだけでも相当な予算が必要になるし。
ただ、少しずつではありますが、行政の動きも出ているようです。左から2枚目の写真の表示を消そうという動きはいくつかの自治体で起きていますし、神奈川県相模原市では、歩道での走行を認めながらも一方通行にする社会実験が2012年1月10日から始まりました。福岡市は「自転車の安全利用に関する条例」制定に向けて検討委員会を発足させました。罰則を伴ったものにするかどうかでも意見が分かれたようで(個人的には罰則のない条例など屁の突っ張りにもならんと思うが…)、まだまだ長い道のりではありますが。

パリのアメリカ人>2012/2/11
南米朝練の重鎮にして、もう20年近い友人でもある竹藪センセが11年末から12年始めにかけて、モロッコなどを訪れました。
途中、パリ シャルル・ド・ゴール空港でトランジットした際、トイレで見かけた壁画つうかイラストつうか。センセ、「へぇ〜」って眺めて、ダウンチューブに字が書いてあるのに気が付いた。
近付いて確認するとと「Cannondale」とあったそうな。つまりこれ、アメリカはキャノンデール社の宣伝だったという次第。
いや洒落てますな。ただし、もちろん同社のラインナップにはこのようなシティサイクルはありませんです。
芸術と女性と自転車をこよなく愛する(が、唯我独尊でアメリカ人が嫌いな平均的)フランス人担当者から「お金持ちだから貸してあげるけど、雰囲気を壊すような広告はだぁめね。よろし〜か?」
(いかん、「ピンクパンサー」のクルーゾ警部がちらつく。そっか、アメリカ人もフランス人が嫌いなんだ)、などと釘を刺されてバリバリのロードレースシーンか何かを考えていたのを仕方なく変更してこげな絵をでっち上げた、って裏話はどこにもないので悪しからず。そうだったら面白いな、っう妄想です、妄想。
ちなみにヨーロッパのシティサイクルって、見た目は日本のママチャリ風だけれども乗って見ると全く別物です。実に取り回ししやすくクロスバイクに近い。おばちゃんたちが、これで自転車専用道を30km/hで走っている光景など珍しくないそうですから。

外れないチェーン?>2012/2/18
知人がピストフレームを流用してこさえた通勤用シングルスピード自転車「通勤快速号」。もちろん前後ともブレーキを付けられる改造済み。
であり合わせのパーツで組み上げ、いざ、チェーンを張る段になってハタと困った。厚歯の安いモンということでどっかの誰か製を使おうとしたら、何かリンクが特別なのね。チェンを撓ませるとリンクがポロリと取れて、つなぐ時はリンクをパチンと填めるだけ。おぃおぃ大丈夫かぇ?こんなんで外れんのか?
シングル用だし、多段ギアのように斜めにかかるわけでないからこうしたんだろうと調べてみると、ナニ、多段ギア用も同じじゃん。
まぁメーカーが「これで大丈夫」ってアメリカでも売ってるんだから問題ないんでしょう。
が、残念ながら私の回りはメーカーの言うことを素直に信じるような善人が一人もおりません。不安だからと、鼻の脂をそこら中に塗り込んで対策を施しておりましたな。方法はナイショ。

自転車と社会・7>2012/2/26
売る側の責任
通勤途中に見かけた自転車。
良っくご覧になって下さい。リアにコースターブレーキが付いていますが前ブレーキなし。シャフトを通す穴も、ブレーキ台座もないのでユーザーがブレーキを外したのではなく、最初からこういう仕様だ、ってことです。これが、未だに売られている。
この時は、「フーン」ってなモンだったのですが、スポーツバイク業界では有名な大手輸入代理店の2012年版カタログを見て、悲しくなりましたな。かのイタリアはCi●e△△iのピストが何種類も載っていて大半に「前ブレーキOK」とかあるんですな。後ろなし。前後ともブレーキが付かない仕様のもあるぞ。
競輪や自転車競技の学生たちはこんなものは使わないので、街乗りピストを想定しているとしか考えられない。が、前後ブレーキを付けないと公道は走れない、という注意書きひとつなし。
「お店で売っているんだから、乗っても構わない」ぐらいにしか考えていない人間がゴロゴロしているご時世。こんなのを素人に売ってはいけないと思いますがね。車やオートバイでは考えられんでしょ?
数年前、福岡市で自転車を店先から盗まれた、と、とあるショップが警察に届け出たんですな。調べてみると盗まれたのは店主の所有物でノーブレーキピスト、で店頭にも堂々と並べていたもんでしっかりとお灸を据えられた、という話があります(盗んだ?のは店の常連客だった、ってオチも付くんだけど)。これとて、お上の手を煩わせていなかったら、わざわざ忙しい警察が出張ってまで注意はしていなかったと思う。
売る側を処罰する法律はないのだけれども、売れれば何をしてもいい、ってもんではなかろうと。年寄りの繰り言ですが。