新しいパーツやメーカーの噂、非力なローディーの試乗記、複雑怪奇なパーツの互換性をクリアする方法etc・・・。自転車雑誌やプロショップでは相手にされないお話を集めてみました。随時更新します。
 ただし、あくまで「噂」と「裏技」です。眉にツバを付けてお読みください。安全のためには「裏技」はお試しにならないほうがよいか、と(^^;) 思います。
(2016/9)

ショップの技量>2016/9/3
完組ホイールが当たり前になって、ロードバイク遊びの敷居が低くなりました。面倒な車輪組みや振れ取りがいらないように見えるから、通販などで安い買い物ができると思うんでしょう。実際は、新品の完組ホイールでセンターが狂っているのは珍しくも何ともないのは、ちょっと経験を積んだらわかること。カンパとシマノはさすがに頻度が少ないが、それでもゼロではない。新品の半数は再調整が必要なメーカーもある。
最近、「車輪がちゃんと付かない(真ん中に来ない、ブレーキが片当たりする)」という相談が某ショップに持ち込まれるのを良く目撃します。センター出しをしていないんですな。
マビックの完組ホイールには簡単な工具が付いています。ガタが出やすいハブ構造なのでオーナーが自分で調整できるようにとの配慮です。これも新品時に調整しないと結構ガタがあるけど、そのまま乗っている人がいる。
電動変速機。ワイヤがBB内を通るので、シャフトを通す際にワイヤを持ち上げてBBの上を通るよう、ひと手間かける必要があります。そうしないと、メンテのためにシートポストを抜く際にバッテリーとつながったワイヤが切れる鴨試練でしょ? やってないのがあるのよね。
いずれも通販にあらず、有名ショップでの購入とか。詳しい人に聞くとちゃんとした整備が出来る人は忙しいらしい。スタッフの技量に濃淡があるのは仕方がないが、スタッフ教育はもちろん、ちゃんとチェックをしてお渡ししないと。命を乗せて走る道具だからね。最終的にはショップの責任でっせ。万一が起きたら取り返しがつかないよ。

続きました…
深遠な車輪の話・2>2016/9/3
前回はnagi師匠から、オロ10かそれ以上の重量のならいいんじゃね? というアドバイスをいただいたところまででしたね。
で、Nさんはどうされたか、というと、はい。ご想像の通り、逝ってしまいました。(*^_^*)
本と趣味のモノは迷ったら買え! 見つけたら買え! というのは本当だと思います。生産が終わっているものは二度と手に入らないと思った方が良いです。迷っているうちに誰かに買われたら、ず〜っと悔しいですよ。
って、その結果が不良在庫の山になってるのは否定しませんが…。写真は、Nさんがお買いになったものではなく、ある人が隠し持っている32Hのオロ10です。
まぁ、世界にただひとつ、ということはないので、必死になって探せばどっかにあるものではありますが…。

物欲に負けました。お恥ずかしい・・・。
お盆休みにコンパウンドで磨き上げ、買い置きしておいたタイヤを貼って、黒ベイに履かせました。カウンタックの時とは多少違ったペダリングを要求されるような気がします。自転車は奥が深いですね。





「多少違ったペダリング」というところに興味を引かれて、インプレッションをお願いしたところ快く引き受けて下さいました。
書き込みされた内容が、さすがベテラン、実に的確かつ面白いので、講釈付きでご紹介します。
さて、無事に深淵(真円)になりますでしょうか…(-_-)
続く

すぐに続きました(*^_^*)
深遠な車輪の話・3>2016/9/3
「乗り味」と言われても・・・。あくまでシロウトが感じた事として読んでくださいませ。
持った感じでは『オロ10』の方がかなり軽いので、「登りが楽になるだろう」と期待していたのですが、思ったほどではありませんでした(ジブンの脚力を棚に上げて言っています)。『カウンタック』では、「ホイールからの反力が自然にクランクの上死点を越させてくれる感じ」(これを最も強く感じさせてくれる のはWOを履いた『白ベイ』です)なのですが『オロ10』では、「ホイールからの反力に頼ることができず、自分で上死点を越させなければならない感じ」 です。これがリムの重量差によるものなのか、リムの剛性の差によるものなのかは、よくわかりません。










登りにおいて車輪は軽いほど有利、というのは本当ですが言葉足らずであって、「剛性が同じであれば」という枕を忘れてはいけません。
また同じ剛性なら、軽いリムほど足を止めると速度が落ちるのが早い。慣性が付かないんですね。平地を単独巡航するとよく分かります。Nさんがカウンタック(イタリアの古いホイールメーカーNISIが70〜80年代に生産していたリム、約380gと当時としては重めだった)の方が、ホイールの反力でクランクが返ってくる感じがしたのは主にこれが理由です。固定ギアなのでその辺が強調されているでしょうね。
もうひとつが、Nさんも言及しているリム剛性の差、というかこの場合は車輪全体の剛性感ではないでしょうか。軽い(剛性も低い)リムに少ないスポークだと、いくら結線していても全体的にヤワで、ペダルを踏む力が逃げてうまく推進力に変わらない。
まぁ、どの場面で反力を感じることが出来るか、というのはその人の脚力や疲労度、斜度などが関係してくるのではありますが。基本、ヤワだと感じる車輪はどんな場面でも使いにくいのは間違いありません。

ロードバイクのリムは長くアルミ素材で造られており、'70年代は重量は300g半ばまでぐらいが主流でした。それが'80後半〜'90年代になると400g前後になり材質も向上しました。軽さより剛性を求める流れだったんですね。
この流れは完組ホイールの開発でさらに加速し、450g半ばぐらいのリムは当たり前になってきます。ひたすら剛性を求めてのことで、材質はいよいよ硬くなります。
21世紀に入ってカーボン素材を扱う技術が進み、現在ではカーボン繊維で軽く硬いリムが作れるため、再び軽いリムが使われるようになりました。その代わり、登りや平地巡航など、一部のとんがった性能を持つ製品が増えました。ホイール選びはその辺を十分に考えないと期待外れになってしまいます。
話がそれたな。
ところで剛性は高ければ高いほどよいんですかね。これも後ほど…。
まだ続く…

さらに続きました
深遠な車輪の話・4>2016/9/10
28Hオロ10、軽さの割には登りがイマイチだったようですが、意外や平地で評価が覆ります。

むしろ平坦なところや、緩い下りで伸びる感じでした。これがスポークの数の差によるものなのか、重量差によるものなのかはよくわかりません。

心配したほど「ヤワ」な感じはしませんでしたが、還暦過ぎの爺の言うことですから…。
ただ、誰が組んだかわからないホイールに乗るのは、不安なものですね。ここ10年ほどは南米さんで組んでもらったホイールにしか乗ってこなかったので、余計不安を感じました。








平地や緩い下りで転がるのは、スポーク本数が少なく空気抵抗が小さいことによるものです。なんせ、濃密な空気を丸いスポークがかき回しているんだから。ホイッパーで生クリームをかき混ぜてるのを想像するとかなり近いかも(*^_^*)。単純に計算すると32Hと28Hなら12.5%の抵抗減…、でしょうか。(算数は苦手)。完組ホイールのスポーク本数が少ない理由はまさにコレです。
向かい風の中を踏み込んでみると、もっと実感できます。32Hだと風に負けて全然伸びないけれどもスポーク本数が少ないと吸い込まれるように進みます。
心配したほどヤワでなかった、というのはまさに結線の効果でしょうね。

スポークって目立たないけど、すごく大切なパーツです。ここがチャチだと、たいていが剛性不足のつまらん車輪になっちまいます。どっかでまとめようと思います。

>誰が組んだか分からないホイール…云々。
私は自分で組んだホイールには乗りたくない(*^_^*)。いずれにせよ、一度nagiちゃんにチェックしてもらうことをお勧めします。
まだまだ続く…